【最高速450km/h】デンマーク発のハイパーカー、ゼンヴォ・オーロラが日本初公開

公開 : 2024.03.31 07:18

2007年創業という知る人ぞ知るデンマークのハイパーカーメーカー「ゼンヴォ」の最新作、オーロラが日本初公開となりました。V12クワッドターボと3基のモーターのハイブリッドで統合出力1850ps、最高速度450km/hを誇る驚異のマシーンの登場です。

デンマーク発のハイパーカー、日本初公開

トータル出力1800ps、最高速度450km/hというとてつもないパフォーマンスのハイパーカー、ゼンヴォ・オーロラが日本に姿を現した。

デンマークのハイパーカーメーカーとして注目されているのがゼンヴォ・オートモーティブだ。2007年に2人の情熱的なクルマ好きによって設立され、社名は創業者2人の名前を組み合わせたもの。

ゼンヴォ・オーロラ・トゥール
ゼンヴォ・オーロラ・トゥール    上野和秀

2008年に完成した最初のプロトタイプは、スーパーチャージャーとターボチャージャーで武装したゼンヴォ ST1。続いて送り出されたのがV8ツイン・スーパーチャージャーを搭載するTS1で、この自社開発のパワートレインは、現在のTSR-GTに至るまで使用されてきた。

2023年初頭に同社初の量産モデルとして発表されたのがオーロラだ。V12クワッドターボ・エンジンを搭載し、洗練された美しいカーボン・モノコック・シャシーを備える、デンマーク唯一のハイパーカー・ブランドであるゼンヴォの、新時代の幕開けとなるモデルである。モデル名は希少な光現象であるオーロラの美しさにちなんで名付けられた。

オーロラは限定100台のみが製作される。グランドツーリング仕様でエレガントなトゥール(Tur)と、サーキット走行に焦点を当て、高ダウンフォースを獲得したアジル(Agil)の2タイプがそれぞれ50台ずつ生産される。

ゼンヴォ・オーロラは卓越したクラフトマンシップが生み出す芸術品として、ヨーロッパ、北米、中東のイベントに出品され高い注目を集めてきたが、今回日本で初めてのお披露目となった。

統合出力1850psを発揮

オーロラのミッドに搭載される6.6L 90度V型12気筒エンジンは4基のターボを搭載し、最高出力1250ps、許容最高回転数は9800rpmという高回転型ユニットだ。さらにPHEV用の軽量な3基の電動モーター・システムは600psを発生。統合出力は驚異的といえる1850psを発揮する。

ここに7速ハイブリッド・ギアボックスが組み込まれる。パドルシフト方式で、リバースギアは無く、電動モーターが受け持つ。フロントにも電動モーターが備わり、細かなトルクベクタリングにより安定した操安性を実現する。

ゼンヴォ・オーロラ・トゥール
ゼンヴォ・オーロラ・トゥール    上野和秀

シャシーはカーボン構造のスペシャリストであるマニジング・コンポジット社と共同開発した、ゼネヴォのZM1モジュラー・モノコック・デザインをベースに、アジルとトゥールの2タイプの使用状況に合わせて製作されていることに注目したい。快適性に振ったシャシーと、サーキット走行を突き詰めた高剛性に造り分けられる。

パワートレインは2タイプとも共通だが、ダウンフォースを重視してとことん突き詰めたアジルの最高速度は365km/hに留まるが、快適性を重視し空気抵抗を減じたトゥールは450km/hに達するという。

ちなみに発表されたパフォーマンスは、トゥール仕様で0-100km/h加速2.3秒、0-300km/h加速9.0秒、0-400km/h加速17.0秒という驚異的な数値を謳う。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 編集

    戎大介

    Daisuke Ebisu

    1972年生まれ。学生時代はゲージュツを志すもネコ・パブリッシングの関連企業に就職し、個人売買情報誌クアントや通信販売SCENA、自社広告などの制作に携わる。その中で取材/撮影から執筆/デザイン/編集までを1人で完パケする仕事スタイルを確立し今に至る。現在は甲府は湯村温泉で半ば隠者となりながら、当サイトのスペシャルショップと常磐ホテルSNS更新で命脈をつなぐ。写真機材はクルマメディアの現場では他に出逢わないPENTAX。

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