軽量水素ハイパーカー「エニグマGT」登場! V6ターボ+モーターで航続700km 未来のハイブリッド車

公開 : 2024.02.28 18:05

イタリアのデザイン会社、ピニンファリーナが新型コンセプト「エニグマGT」を公開。水素燃焼の2.5L V6ターボに電気モーターとバッテリーを組み合わせた、車重1700kg以下のハイブリッド・グランドツアラー。

車重1700kg以下 水素燃焼+電気の力

イタリアのデザイン会社であるピニンファリーナSpAは、水素燃焼エンジンと電気モーターを搭載した新型のグランドツアラー・コンセプト「エニグマGT(Enigma GT)」を公開した。

現時点ではバーチャル空間でのみ存在するデジタルスケッチだが、ピニンファリーナによれば来年の創立95周年に向けてさらに発展させていくという。

ピニンファリーナ・エニグマGTコンセプト
ピニンファリーナ・エニグマGTコンセプト    ピニンファリーナ

エニグマGTは「時間とともに展開される旅」の象徴であり、「新世代における日々のドライビングの歓びとは何か」をテーマに開発された。

2+2の4人乗りで、全長4580mmと比較的短いが、2880mmのロングホイールベースにより室内空間を確保している。

後輪を駆動する最高出力442psの2.5L V6水素燃焼ターボエンジンと、前輪を駆動する最高出力272psの電気モーターを組み合わせたハイブリッド・パワートレインを搭載している。

9kgの水素タンクと10kWhのバッテリーを組み合わせることで、推定航続距離は700km以上になるという。

軽量なカーボンファイバー製モノコックを採用し、車両重量は1690kgとされる。

エクステリアは空力に重点を置いたデザインとなっており、キャビンを覆う大きな「キャノピー」バブルが特徴的だ。これは、ピニンファリーナが過去に開発したフェラーリ512Sベルリネッタ・スペチアーレやアバルト2000クーペ・ピニンファリーナなどのコンセプトカーを意識したものだという。

また、空気抵抗を最小限に抑えるため、グリルシャッター、フロントホイールディフレクター、エアロテールなどを可動式とした。ピニンファリーナは、空気抵抗を示す効力係数(Cd値)を0.24としている。

その結果、0-100km/h加速は4秒以下、最高速度は250km/hに達する。

インテリアもまた、新しいデザインの方向性を示している。「空を飛んでいるようなグランドツーリング体験」を目指し、航空機にインスパイアされたダッシュボードや、持続可能な素材が数多く使用されている。

フロントガラスにはAR機能を導入し、珍しい形状のマルチファンクション・ステアリングホイールと組み合わせるなど、ユーザーインターフェースにもこだわりが見られる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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