「お伊勢さん菓子博2017」応援事業 特別企画 第13回 ヒストリックカーミーティング 伊勢志摩

愛知県発のラリー・イベントといえば、「天野さんのイベント」といっていいくらいに、知名度と信奉者は増しています。なぜヒストリックカーミーティングは、ここまでの求心力があるのでしょう? 伊勢志摩でおこなわれた1泊2日のイベントに参加することで、たしかめてみることにしました。

text:Taro Ueno (上野太朗) photo:Kenji Takeshima(竹嶋賢司)、Taro Ueno (上野太朗)

 

はじめに:ヒストリックカー ミーティングの求心力はいったいどこからくるのだろう?

2017年3月11日、名古屋市役所に52台のクラシックカーが集まった。すべては「お伊勢さん菓子博2017」の応援事業として開催される「第13回 ヒストリックカー ミーティング 伊勢志摩」に参加するため。いや、夜の「あれ」を楽しむためかもしれない。

とにもかくにも、7回目となる伊勢志摩ステージが、名古屋市長のコミカルな挨拶とともにスタートした。天気は晴れ。春の香りと香ばしいオイルの香りがほんのりと混ざる、おだやかな土曜の朝だった。

と、ここから「できごと」を羅列するのは、いつもの流れになりかねない。「予定調和」を好まず、エンターテインメント性を重視するヒストリックカーミーティング実行委員長の天野正治さんの教えに背く気がする。

もっとも、以下につづる僕の文がエンターテインメント性に満ちているわけではないけれど、しかし今回は、いつものレポートと異なるカタチで、まずは「ヒストリックカーミーティングが多くのひとを魅了する理由」にフォーカスしたいと思う。

※旅の行程を振り返りたいかたは、2ページ目へ

迷い犬のように天野さんのイベントに参加させていただくようになって、早いもので4回目になった。回を重ねるごとに確信の度合いが増してきたのだが、天野さんのイベントの魅力は以下のふたつに集約される。

1、クルマは特に、主役ではない
2、おなじことは、2度とおこらない

1に関しては、天野さんご自身が、イベント後のインタビューでおっしゃったこと。それほど、クルマ以外の、「食」「景色」「音楽」が濃く、抜かりがないのである。ヒストリックカーミーティングは、あくまでクルマを介して、その先に見える何かを具現化している。いわば、ひとの出会いのハブなのである。

それを印象づけるのが2。その象徴が、イベントでもっとも盛りあがるのが夜のパーティーだ。年に数回あるイベントで、これほど「焼き直し」のコンテンツがなく、いつもオリジナリティに溢れている、熱く煮えたぎるようなパーティーを、僕は見たことがない。

※パーティーの詳細を知りたいかたは、2ページ目へ

では、なぜ、オリジナリティ溢れるコンテンツが泉のように湧きだすのだろう?

天野さんは、「主役はスタッフだからですよ」と言い切る。「クルマでも、お客さんでもなくスタッフが主役なのです」

それほどに、総勢40名にも及ぶおのおののスタッフが自信と誇りをもってそれぞれのポジションをまっとうしている。スタッフの皆さんの笑顔や、はつらつとした動きからすぐに理解できる。

消費傾向が「もの」から「こと(体験や思い出)」にシフトしていることを、1泊2日、(東京からだと)1000kmに及ぶ旅で僕は体感したのだった。

実のところ、しばらくたった今でも、僕は天野さんの魔法が解けきれていない気がしている。


記事に関わった人々

  • 上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

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