渋滞続きの東京湾アクアライン 現実的な解決策は通行料でなく鉄道?【森口将之の『もびり亭』にようこそ 第20回】

公開 : 2026.05.13 12:05

モビリティジャーナリストの森口将之が、モビリティに関するあらゆる話題を語るこのブログ。第20回は、アクアラインの通行料金と渋滞についてです。

通行量が時間帯によって変わる

この原稿を書いているのは、大型連休の最終日。昨晩(5月5日)のニュースでは、高速道路のUターンラッシュが映し出されていました。そこで東名高速道路や関越自動車道とともに紹介されていたのが、神奈川県川崎市と千葉県木更津市をトンネルと橋で結ぶ自動車専用有料道路、東京湾アクアラインでした。

興味深かったのは、夕方のニュースではアクアラインは目立たなかったのに、23時ぐらいにもっとも酷い渋滞になっていたこと。それを見て、自分も少し前に体験した、時間帯別料金を思い出しました。

海ほたるパーキングエリアから木更津方面を望む。
海ほたるパーキングエリアから木更津方面を望む。    森口将之

首都圏で暮らす読者であれば知っている人もいると思いますが、東京湾アクアラインは土日祝日の通行料金が時間帯によって変わります。

昨年4月から、上り線(川崎方面)の13〜19時は、普通車ETC利用の料金が通常の2倍の1600円になる代わりに、20時から翌日4時までは400円に下がるようになりました。 下り線(木更津方面)はそこまでではないですが、朝5〜7時は1000円になるのに対して、0〜4時は400円になります。

その効果は昨年秋、金曜日と土曜日にアクアラインを使ったときに体感しました。週末の土曜日に上り線を利用したのが、1600円になる夕方だったこともあって、同じ夕方に通った金曜日より空いていて、渋滞がまったくなかったのです。

開通当初は片道4000円!

僕はかなり渋滞を嫌う人間だと認識しています。昨年のブログでは渋滞回避のテクニックを紹介しましたが、ほとんど動いていないのに運転という移動のための操作に専念しなければいけないのは、モビリティ(移動可能性)で言えば最悪に近い状況だからです。

なのでこのときは、距離と時間と費用をざっくり比較して、そのまま通過しました。あとで料金をチェックしたら、土曜日の分は1600円になっていましたが、時は金なり。特急料金を払ったようなものだと解釈しています。

木更津市内のアウトレットモール。
木更津市内のアウトレットモール。    森口将之

今年の大型連休も、SNSの書き込みをチェックすると、時間帯別料金を活用した人がいたようで、1600円支払ったおかげで渋滞にはまらずに帰宅できた人、逆に400円になるのを待って20時まで近くの商業施設で過ごした人などが見られました。

ただ自分の肌感覚でも、アクアラインを走るクルマの数は年々増えている感じがします。僕は開業当時のアクアラインを利用したことがあるので、激変ぶりに驚かされます。

というのも、アクアラインの通行料金は、当初は普通車で片道4000円もしたのです。そのためガラガラ。千葉県側ではアクアラインの開通を睨んで、研究開発拠点の『かずさアカデミアパーク』を開発しました。しかしアクアラインの料金設定も影響したのか、最終的には運営会社が破産に追い込まれてしまいました。

こうした状況を見かねて、当時千葉県知事を務めていた森田健作氏が、菅義偉元首相などに掛け合い、国と県の負担で、2009年に800円を実現したのです。その結果、アウトレットモールなどの商業施設が数多く作られ、首都圏の人たちの身近なレジャースポットになりました。

クルマに関係する施設でも、袖ヶ浦フォレストレースウェイのオープンは同じ2009年で、ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京、THE MAGARIGAWA CLUBはその後に開業しています。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。

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