クルマ漬けの毎日から

2026.05.11

いまイギリスの自動車市場では、中国車のシェアが急速に伸びています。最近クロプリー編集長は、中国の奇瑞汽車(チェリー)の大型PHEV SUV『ジェイクー8』に試乗し、その理由を実感。

イギリスで中国車のシェア拡大! 欧州自動車メーカーの未来は?【クロプリー編集長コラム】

もくじ

新型ジェイクー8に試乗 複雑な心境

新型ジェイクー8に試乗 複雑な心境

いま、なぜイギリスの自動車市場で中国の自動車メーカーのシェアが10%に達し、さらに拡大を続けているのか?

その理由を知りたい人にとって、新型ジェイクー8(Jaecoo 8) は非常にわかりやすい例だ。スペース、価格、品質、効率性、実用性、性能を兼ね備えたジェイクー8は、ライバル不在の独自の立ち位置を確立している。

新型ジェイクー8(英国仕様)

運転しやすく洗練された、7人乗りのプラグインハイブリッドSUVの新型ジェイクー8には、メルセデス・ベンツに匹敵する質感のインテリアが備わっている。

0-62mph加速は6.0秒を切り、平均燃費は50mpg(約17.7km/L)を実現。また電子制御4WDシステムと十分な最低地上高のおかげで、ぬかるんだ坂道もレンジローバー・イヴォークと同じように鮮やかに駆け上がる。

そしてこうしたすべてを、同じカテゴリーのBMWやボルボよりも大幅に安い価格で提供しているのだ。

新型ジェイクー8(英国仕様)

こういうクルマを目の当たりにすると、じつに複雑な心境になる。

内燃機関のよほど熱烈な信奉者でない限り、このPHEVが多くのドライバーにとって非常に魅力的な選択肢であることは否定できないだろう。しかし同時に、欧州自動車産業の未来に大きな不安を感じずにはいられない。

欧州ブランドのクルマは、長年にわたって私の人生の重要な一部であり続けてきたし、それはクルマ好きなあなたにとっても同じかもしれない。

欧州自動車メーカーは、伝統やブランド価値、そして(中国勢よりもわずかに)洗練されたデザインを武器に、これからも生き残り、繁栄を続けられるだろうか?

正直なところ、私はまったく確信が持てない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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