【ライバルは見当たらない】ルノー・アルカナ・エスプリ・アルピーヌは魅惑のクーペSUV!

公開 : 2024.12.11 15:00

いかにも燃費が良さそうな振る舞いに嬉しくなる

まずは混雑した東京都内の街中を走ることになったが、フルハイブリッドならではの走りやすさに感心。電気モーターは発進時から頼もしく、街中ではそう簡単にエンジンがかからないから静かでもある。

交通の流れが良くなって速度をあげようとすれば、エンジンと電気モーターが協調してスムーズに流れにのっていく。巡航になってパワー&トルクがさほど必要なくなれば、エンジンは停止してまたEV走行。十分以上の力感と静粛性の高さ、そしていかにも燃費が良さそうな振る舞いに嬉しくなる。本国の発売から4年が経っていることもあって、Eテックの制御はますます緻密になっているようだ。

高速道路で速度をあげていくと、中、高速域でもトルクの厚みがあって加速が頼もしかった。ルノーがフルハイブリッドの開発を決断したのは、排ガス規制の厳しさが増していくとディーゼルは後処理などにコストがかかり、B、Cセグメントでは成立しないという背景があったと聞く。

それを踏まえてEテック・フルハイブリッドを走らせていると、なるほどこれはディーゼルの代替として優れているとも感じる。低回転でもトルクが厚く、高速ドライブが得意なディーゼルと比較しても走行特性が似ているのだ。さらに、モーターの特性によってアクセル操作に対するレスポンスが良好なので、ディーゼル以上に走りやすい。アクセルを踏み込んでいけば、ドグクラッチを採用しているだけあって、フルハイブリッドとしては異例にダイレクト感が高く、スポーティだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    石井昌道

    Masamichi Ishii

    1967年生まれ。自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。ワンメイク・レースへの参戦も豊富で、ドライビング・テクニックとともにクルマの楽しさを学んできた。国産車・輸入車のいずれの知識も幅広く、ジャンルを問わない執筆活動を行う。最近では、エコドライブの研究、それを一般ドライバーへ広く普及させる活動に力を入れている。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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