ケータハム・セブン620R

■どんなクルマ?

ケータハム・セブンR600をテスト・ドライブした記憶があるだろうか。昨年の12月、リンカンシャーのウェット路面のサーキットでわれわれはそれをテストした。スーパーチャージャー付きのライトウエイト・スポーツを試すのには、いささか残念なコース状態であったことを記憶している。

その時、ケータハムはこのR600のロード・ゴーイング・バージョンを制作するとコメントしていた。この620Rがそのモデルである。

ケータハムはかつて過給エンジンを使用してこなかった。というのも、過給エンジンの冷却が難しいことと、ターボチャージャーの特性が軽量スポーツカーには向かないことを知っていたからだ。しかし、今回、R600と620Rに選択したのはスーパーチャージャー・エンジンだった。

620Rは、サーキット専用モデルであるR600のロード・ゴーイング・バージョンではあるものの、その性格はサーキット向けといっても過言ではないだろう。しかし、R600よりは柔らかいセッティングがされている。

とはいうものの、キーとなるディテールはR600のままだ。広いトレッドを持つフロント・サスペンション、311bhpと30.3kg-mを発する2.0ℓのスーパーチャージャー付きのフォード・デュラテック・エンジン、ストレート・カットの6速シーケンシャル・ギアボックス、リミテッド・スリップ・デフなどが組み合わせられているのだ。ボディ重量は僅かに549kgで、R600に比べると幾つかのMSA認可のアクセサリーが外されたに過ぎない。

■どんな感じ?

オーバーヒートもしなければ、渋滞で不満をいうこともない。クラッチはコントロールしやすく、楽である。しかも、ステアリング・ロックも通常のセブンと同じだ。コクピットは多少窮屈ではあるが、£49,995(773万円)を支払っただけのフィニッシュがされている。

しかし、1速ギアで100km/hに達するパフォーマンスの持ち主で、その1速ギアで0-96km/h加速2.79秒をこなしてしまう。馬鹿げたパワーがあるのだ。そのパワーフィーリングはアリエル・アトム300と同程度だが、アトムの方がミドシップにエンジンを積む関係上トラクションは良いようだ。反面、エンジンの搭載位置はケータハムの方が低いため、ロールは少ない。また、アトムのホンダ・ユニットは、低回転から躊躇なく自由に回るという利点を持っているが、ケータハムのギアボックスはより速いシフトを可能という利点を持つ。

620Rのハンドリングは、お馴染みのセブンそのものだ。2回転以下のロック・トゥ・ロックで、極く僅かなアンダーステアでコーナーを駆け抜ける。しかし、控え目なパワーのセブン・スーパースポーツであれば、母親とピンポンをするぐらい簡単にスライドしてコーナーを抜けることも可能だが、この620Rでそれをするのは、中国の卓球チャンピオンとゲームをするように難しいことかもしれない。

■「買い」か?

ケータハム・セブンに何を望むかは、あなたが何を望むかによって変わってくる。しかし、一般道で620Rの7700rpmのレブ・リミットを愉しむには制限が大きことも事実だ。とは言え、サーキットでそのフルパフォーマンスを愉しむのであれば、どんなスーパーカーよりも魅力的であることは間違いない。

(マット・プライヤー)

ケータハム・セブン620R

価格 £49,995(773万円)
最高速度 250km/h
0-96km/h加速 2.8秒
燃費 8.9km/ℓ
CO2排出量 NA
乾燥重量 549kg
エンジン 直列4気筒1999ccスーパーチャージャー
最高出力 311bhp/7700rpm
最大トルク 30.3kg-m/7350rpm
ギアボックス 6速シーケンシャル

 
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