シャオミ(Xiaomi) 1548馬力の『SU7ウルトラ』が世界最速EVへ ニュルで記録更新
公開 : 2025.06.12 07:45
中国のシャオミが開発した電動セダン『SU7ウルトラ』が、ニュルブルクリンク・サーキットにおけるEVのラップレコードを更新。従来のポルシェ・タイカンの記録を約3秒上回る7分4.957秒を叩き出しました。
7分4.957秒でニュルを制覇
中国のシャオミ(Xiaomi/小米)が、ニュルブルクリンクにおけるEVのラップレコードを塗り替えた。同社の高性能セダン『SU7ウルトラ』は、ポルシェのタイカン・ターボGTよりも3秒近く速いタイムを叩き出した。
スマートフォン大手シャオミが開発したSU7ウルトラは、3基の電気モーターを搭載し、合計出力1548psを発生。今回の走行では、オプションのトラック・パッケージを装着し、「グリーンヘル」という愛称で知られるニュルブルクリンクを7分4.957秒で1周し、従来の最速記録である7分7.55秒を上回った。

0-100km/h加速は1.98秒、最高速度は333km/hに達し、現在世界中で販売されているEVの中で最速クラスだ。
中国では今年初めに納車が開始され、国外への輸出も検討されている。
SU7ウルトラは、シャオミ独自の高出力モーター『ハイパーエンジンV8S』を初めて採用したモデルだ。このモーターは、現代の一般的なV8ガソリンエンジンと同等の出力を発揮するように設計されたことから、その名が付けられた。最大回転数は2万7200rpmとされている。
後部に搭載された2基のV8Sモーターは、それぞれ578psを発生し、前部に搭載された1基の『V6S』モーターは392psを発生する。これにより合計出力は1548psに達し、標準モデルのSU7より875psも高い。
比較として、3モーターのタイカン・ターボGTは合計1107psを発生する。
サーキット向けの専用チューン
SU7ウルトラは、EV用プラットフォームの『モデナ』と800V電気アーキテクチャーをベースに、CATL製の麒麟2.0バッテリー(エネルギー容量93.7kWh)を組み合わせている。
中国のCLTCテストサイクルにおける最大航続距離は620kmとされる。

SU7の最上位モデルとして位置づけられ、ビルシュタイン製Evo T1ダンパーを採用するほか、シャシーにもさまざまなチューニングが加えられている。
圧倒的なパフォーマンスを支えているのは、APレーシング製のブレーキシステムだ。他のSU7モデルに採用されているブレンボ製ブレーキとは異なり、フロントに430mm、リアに410mmのカーボンセラミックディスクと、フロントに6ポット、リアにシングルフローティングキャリパーを組み合わせている。
ボディもカーボンファイバー製となり、軽量化を実現。昨年には、プロトタイプがニュルブルクリンクで4ドア・セダンとしてのラップレコードを樹立した。
量産モデルは、プロトタイプよりも控えめな空力および冷却パッケージを採用しており、フロントスプリッター、ボンネット、カーボンファイバー製リアウィングがややマイルドな外観となるが、最大16度に傾斜するアクティブ・ディフューザーと組み合わされる。
シャオミによると、最高速度333km/hで285kgのダウンフォースが発生するという。具体的な車両重量を公表されていないが、2400kg未満と言われている。



























