【低燃費&低価格で勝負】これなら真剣に検討したい!フィアット600ハイブリッドはイタリア車乗り待望の1台

公開 : 2025.06.12 11:45

これまでBEVのみだったフィアット600に、1.2L直列3気筒ターボ+モーターのマイルドハイブリッドを搭載する『フィアット600ハイブリッド』が追加されました。WLTCモードで23.2km/Lの低燃費と、400万円を切る低価格に注目です。編集部ヒライがレポートします。

BEVの600eはハードル高し

フィアット600(セイチェント)にイタリア車乗り『待望』の1台が登場した。1.2L直列3気筒ターボのマイルドハイブリッドを搭載する『フィアット600ハイブリッド』のことだ。

ご存知のようにフィアット600は昨年9月の日本上陸時、『600e』と呼ばれるBEVのみの導入となっていた。その時からハイブリッドの追加は予告されていたので、まずはそこからの『待望』がひとつ。

イタリア車乗り待望の1台、フィアット600ハイブリッド。
イタリア車乗り待望の1台、フィアット600ハイブリッド。    内藤敬仁

そしてここ最近、イタリア車乗りが選ぶ『ドアが4枚あるコンパクトなクルマ』はフィアット500Xの一択で、フィアット500やパンダからのアップグレード組、既に販売が終了したアルファ・ロメオジュリエッタなどからの乗り換え組にとって、『待望』の新たな選択肢登場というわけだ。

600eはスタイル抜群ではあるものの、やはりBEVに対してハードルが高いのと、価格も585万円(導入時。現在は555万円に見直し)と遠い存在であった。しかし今度は『600ハイブリッド』が365万円、『600ハイブリッド・ラ・プリマ』が419万円のところを600台限定のローンチプライスで399万円と、これなら真剣に検討したい! と思わせる価格に収めてきたのだ。

ステランティス・ジャパンは5月1日に、6ブランドで10~30万円の値下げを行っており、為替など環境が厳しい状況の中、顧客に寄り添った姿勢を見せてきた。個人的にはアルファ・ロメオ・トナーレ・プラグインハイブリッドQ4が50万円もの値下げとなり、かなり色めき立っている。

ということで、元フィアット・ウーノ・ターボ&バルケッタのオーナーである筆者は、かなりの期待を持って、試乗会に臨んだのであった。

600ハイブリッドにおける3点のポイント

試乗前に参加したプレゼンでは、600ハイブリッドのポイントとして3点の説明があった。

まずはタイムレスなプロポーション。ひと目でフィアットだと思わせるのは、往年のヌォーヴァ500と現代の500、往年の600と現代の600同士が、それぞれ大きさは異なるものの、フォルムが同じに見えるよう工夫されているからだ。

往年のフィアット600とフォルムが同じに見えるよう、プロポーションを工夫している。
往年のフィアット600とフォルムが同じに見えるよう、プロポーションを工夫している。    内藤敬仁

また、室内でもオマージュした部分は多く、内外装ともに新しいけどどこか懐かしい、まさにイタリアンデザインの面目躍如と言える魅力を放っている。ヘッドライトを目を見立てて、グリルも口角が上がったように見える『ビッグスマイルデザイン』というキーワードも示された。

ふたつ目は何といってもマイルドハイブリッドのパワートレインだ。1.2Lの3気筒ターボは単体でも136psと十分なスペックだが、システムトータルで145psとセグメントの中でも見てもかなりパワフルになっているそう。

しかもマイルドハイブリッドではあるものの、低速時は100%電動走行が可能で、市街地では1時間あたり50%がエンジンを使用しない状態となる。その結果、WLTCモードの燃費は23.2km/L(ラ・プリマは23.0km/L)となり、プレゼンの担当氏が試乗会場まで高速中心で走ったところ、28.5km/Lという数字が出たそうだ。

3つ目は安心と使いやすさ。アダプティブクルーズコントロールを始めとする安全装備、ハンズフリーパワーリフトゲート、キーレスエントリーといったは便利な機能はひと通り装備しており、価格は抑えたが、そのあたりは十二分といった印象だ。

ボディカラーはサンセット・オレンジ、スカイ・ブルー(取材車)、ホワイト、シー・グリーンの4色だが、特に他の媒体が撮影していたシー・グリーンはひと目惚れレベルに素敵であった。ちなみに500eにも似た色があるが、あちらはオーシャン・グリーンとなり、少し異なる。

なお、取材車の『600ハイブリッド・ラ・プリマ』はアイボリーのレザーシート&18インチだが、『600ハイブリッド』はブラックのファブリックシート&16インチ(!)であり(メッキパーツ有無なども違う)、それを知った瞬間から気になって仕方ないのであった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。
  • 内藤敬仁

    Takahito Naito

    1986年よりフリーランスカメラマンとして主に車関係の雑誌、広告の撮影に携わる。趣味は洗車。好きな音楽は1970年代のブリティッシュロック。たまにロードバイクでサイクリンロードを走って風圧と老化に抵抗したりする。

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