[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

VWの第3章の幕開け 初試乗 フォルクスワーゲンID 3プロトタイプ 58kWh

2019.07.08

拡張現実を用いたヘッドアップ・ディスプレイ

スタイリングはかなり異なるが、シルエットの雰囲気はBMW i3にどこか似ている。あちらもコンパクトなリア駆動のEVだから、合点がいく。ID 3の方がBMWより一回り大きく、より見慣れたアピアランスだと思う。リアシートの大きさも実用的で、ラゲッジスペースもしっかり備わっているようだ。

インテリアはほとんどが偽装されていたが、グレーとクリーム色の2トーンカラーのクロスで仕立てられたフロントシートは、実際に目にすることができた数少ない一部。シートのデザインは一般的なもので、ドライビングポジションは良好。ステアリングホイールのサイズもちょうど良い。

フロントガラスはかなり傾斜し、前方を見ると極端に短いボンネットがわずかに視界に入る。運転席に座っていると、正直、前方の車両感覚は掴みにくい。一方でコンパクトなボディサイズのおかげで、実際の交通の中での取り回し感覚は、掴みやすい方だといえる。

フォルクスワーゲンのエンジニアに、空力性能以外の理由でフロントガラスの傾斜を強めた理由があるのか訪ねたところ、特大サイズのヘッドアップ・ディスプレイのシステムをダッシュボード上部にレイアウトする必要性もあったことを説明してくれた。このシステムは、実際の視界に拡張現実的にナビゲーションのルート案内の矢印や、警告情報や歩行者検知のグラフィックなどを投影することも可能。ただし、トップグレードのみの搭載となるようだ。

クルマの機能が進化するということは、シンプルに例えるなら知的な馬を、上等なキャビンの前にくくり付けて走らせるこようなものを目指している、というのは少しいい過ぎかもしれない。しかし、われわれは高度な走行支援システム、ひいては自律運転を可能とする技術進化の過程にいるということを実感させられる。

 
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