【失われたアイデア工場の内側】ヴォグゾールのデザインスタジオへ潜入 前編

2020.07.04

サマリー

オペルの英国版ブランド、ヴォグゾール。1960年代、デザイン部門は黄金期と呼べる時期を迎えました。アイデア工場と呼べた場所は、2019年に完全閉鎖。内部に残されていたコンセプトモデルと合わせて、ご紹介しましょう。

もくじ

ヴォグゾール独自のデザインセンター
量産レベルのオリジナルモデルが製作可能
2000名のデザイナーと技術者が集う
広い塀で覆われた巨大な屋外の展示エリア

ヴォグゾール独自のデザインセンター

text:Steve Cropley(スティーブ・クロップリー)
photo:Will Williams(ウィル・ウイリアムズ)/Vauxhall(ヴォグゾール)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
2019年5月、オペルの英国版ブランド、ヴォグゾール・モータースの本社が、英国ルーイトン郊外のグリフィン・ハウスから移転した。半世紀以上にも渡って、数多くのモデルを開発してきた場所だ。

本社機能は移転したが、数多くの遺品が残されていた。1960年代から1970年代にかけては、生産性と技術力に優れたデザインスタジオがあった場所。多くの作品が、良好な状態で保管されていた。

ジョン・ヘファーナンとヴォグゾール・ヴィクターFE
ジョン・ヘファーナンとヴォグゾール・ヴィクターFE

もともとは、新しいクルマを生み出すためだけに作られた、英国でも由緒ある建築物。1964年には、ヴォグゾール・エンジニアリング&スタイリング・センターと名付けられた。社内ではAJブロックと呼ばれていたらしい。

ここは建築当初、新モデルを生み出すことだけを目的としていた。117年間に及ぶヴォグゾールの歴史の中でも、特に多様な作品を生み出し、華やかな時期を創生した場所だ。

ヨーロッパ各地から、才能あふれるデザイナーを招聘。主要市場のマーケティング要件に縛られることなく、エキゾチックなデザインテーマに挑戦する環境が整えられていた。

グリフィン・ハウスからの移転を把握した英国編集部は、建物を管理する新しいオーナー企業へ連絡をとった。交渉の末、最後を惜しむ訪問が許された。

一緒に向かったのは、グリフィン・ハウスでキャリアを築き上げた、自動車デザイナー。最も印象に残っているコンセプトモデルや、当時のエピソードも紹介してもらうことができた。

 
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