フォルクスワーゲン・ポロ・ブルーGT DSG

公開 : 2015.01.19 23:40  更新 : 2017.05.29 18:57

ひとつ残念なのは、坂道発進補助とスタート-ストップ・システムの相性の悪さ。細心の注意を払ってアクセル・ペダルを踏んだとしても、どうしてもギクシャクした発進になってしまう。

グリップには不足を感じることはなく、電制ディファレンシャルのおかげでコーナリングもクイックにこなすことできる。トルク・ステアやホイール・スピンが最小限に抑えられている点も好印象だ。

ボディがふわふわと浮き上がるようなことはなく、それゆえにミドル・コーナーの安定感も高い。九十九折をかなりの速度で攻めることが好きなドライバーでも、自信をもって運転できるはずだ。

フィエスタSTはドライバーを思わず笑顔にする楽しさを全面に押し出しているのに対し、ポロGTは一切怖い思いをさせることなく、それでいてタイトな印象を与えてくれるキャラクターだということもできる。

また一定のマージンがあるため、フィエスタSTやミニ・クーパーと比べてより快適に感じる。”俺を見てくれ!” と言わんばかりのいくつかの小型ホット・ハッチと異なり、控えめではあるけれど決して地味ではない印象だ。

内装は基本的にはスマートでコンサバティブなフォルクスワーゲンのそれを堅持しているものの、スポーツ・シート/トリム、アルカンターラと人工皮革の組み合わせ、その他の専用生地など、’それ’ と香らせる要素はある。

シートはサイド・サポートが豊富なおかげで非常に快適である。ステアリングの調節幅も広く、理想のポジションを容易に探り当てることができた。

座面高そのものは決して低くはないものの、だからといって不快に感じるほどではなく、天地方向のスペースも十分。センター・コンソールは他グレード同様に太ももとぶつかりやすいけれど、全般的にはコンパクト車として満足できる足元のスペースは確保されている。

後席は身長が高い大人にとってはやや窮屈ではあるが、クラスの平均ラインは超えており、5ドアのおかげで乗り降りが億劫になることもない。280ℓの荷室容量も十分で、高さ調整ができるフロアも実用性が高い。

キャビンの質感もこのクラスの中では上位につける。硬質なプラスティック素材が皆無なわけではないけれど、柔らかい材質のダッシュや艶のある黒いセンター・コンソール、シンプルなスイッチなど注目すべき点は多い。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

フォルクスワーゲンの人気画像