●ボナムス・スコッツデイル・オークション

●2015.01.15 　スコッツデイル／アリゾナ／USA コレクターズ・オークションにオフシーズンはない。1月に入り温暖なアリゾナでは2015年シーズンの幕開けといえる3つのメジャー・オークションが開催された。その中で最初に行われたのがボナムス・スコッツデイル・オークションである。  
レースやイベントと違い、コレクターズ・オークションに冬休みは無い。2015年初のオークションとなったのがアリゾナの首都フェニックス近郊のスコッツデイルで開かれたボナムス・スコッツデイル・オークションだ。この時期はフェニックスからスコッツデイルにかけて数多くのクルマのイベントが行われ、それにリンクしてオークションが開催されている。 ここでもボナムス、RM、グッディングの3社による気合いの入った品揃えのオークションが行われた。まず開催されたのがボナムスで、2005年のスタートに相応しい貴重なモデルが用意されたこともあり、総落札額で5100万ドルを記録する盛況ぶりだった。 ここでの目玉となったのが1966年型フェラーリ275GTB/Cだ。フェラーリのセミ・ワークス・チームであるスイスのスクーデリア・フィリピネッティに新車でデリバリーされ、1967年のル・マン24時間レースで総合11位、GTクラス優勝という素晴らしいヒストリーを持つ。昨年5月に開かれたRMモナコ・オークションで275GTB/C(S/N: 9067)が8億540万円で落札されたが、ここでは11億39万円という新記録をマークした。 このほかのクルマを見てゆくと、やや上がり過ぎたきらいのあるヒストリック・フェラーリたちが最低落札額に届かず、かなり流札していることが分かる。同様にアストン・マーティンDB5コンバーチブルやポルシェ911の73カレラなど、実態（意識）より上の価格になってしまったものが、やはり落札されていないことが分かる。 ここにきて値を上げているのがフェラーリ512BBで、昨年の春ごろは1000〜1500万円程度だったものが、ここでは3797万円と4183万円まで値を上げている。このほかポルシェ356やナロー911、ジャガーEタイプも、着実に値を上げてきている。 スコッツデイルでの興味深い出品車がマツダ・コスモ・スポーツとトヨタ・コロナ・ハードトップで、日本でもなかなか出てこないクルマだ。写真を見る限りどちらも良好なコンディションで、コスモは順当に1287万円だったが、コロナは129万円というお買い得価格で落札された。

1$（米ドル）=117円で計算　NS=落札不成立。日本円価格の括弧内の金額は、主催者が発表した予想落札価格。