ヒュンダイi20 1.4CRDi SE

公開 : 2015.02.23 23:20  更新 : 2021.03.05 21:39

ただ、視界がひらけ、さらなるスピードを求め始めたところから問題が生じる。騒音や振動、乗り心地に対して力を注いだとはいうものの、エンジン音やガス・ペダルに伝わる振動には、時に苛立たしささえ覚えるのだ。

もっとも、巡航速度でも6速にギアをセットすれば、癪にさわる頻度は減る。しかしながらこの時には、ドア・ミラーが風を切る音が聞きたくなくとも聞こえてしまう。

ステアリングに関しても満足できるものではない。細い道や車庫入れ時には、かえって軽さに助けられることが多いのだけれど、速度を増していくと、反比例するかのように正確性が損なわれてしまう。

コーナーで破綻しにくい点はガソリン版と同様にi20の長所であるけれど、バンプを踏み越えた最の露骨な突き上げはディーゼル・ユニットに限られた明確な瑕疵である。よってお世辞にも乗り心地がいいとはいい難い。

さらにいうなら、ほとんどのライバル達はCO2排出量を既に100g/km以下に抑えている一方、i20ディーゼルは依然として106g/kmとなっているため、こちらも改善が急務だと感じる。

けれども、中を見わたせばi20ならではの光る点も多い。たとえば最大で1042ℓまで拡大できる326ℓもの荷室容量。先代からは31ℓの向上であるうえ、現行のフィエスタとくらべても36ℓ優っている。

ダッシュボードを嵩上げしたのも優れた判断だといえる。おかげでドライバー/パッセンジャーの足元には余裕ができ、結果的にはゆったりとした印象をもたらしている。

16インチ・アロイ・ホイールやリアのプライバシー・ガラス、全面自動ウインドウ、エアコン、ブルートゥース、USB、AUX入力、オーディオ/通話用ステアリング・コントローラー、クルーズ・コントロール、リア・パーキング・センサーなどがはじめから用意されているのも加点ポイント。

2トーンのインテリア・カラーも洒落た雰囲気を作り出している。タッチスクリーン方式のマルチ・メディア・システムの代わりにスマートフォン用ドック(サムスン・ギャラクシーとiPhone 5に限る)とドット-マトリックス・モニターを選んできた点もヒュンダイならではあるけれど、ナビゲーション本来の機能としては問題なかった。

柔らかいタッチのプラスティック素材を使用するが、フォルクスワーゲン・ポロのそれには敵わないのが現状ではあるものの、ドライバーに向けてに設えられたダイアルやボタンの配置にも、使い心地のよさを感じた。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

ヒョンデの人気画像