メルセデス-AMG CLA45 シューティング・ブレーク

公開 : 2015.03.05 23:50  更新 : 2017.05.23 16:36

■どんな感じ?

今のところ、このクルマの載せる2.0ℓターボ・ユニットは世界で一番パワフルである。また同時に、45 AMGにとって必要不可欠なエンジンといっても言い過ぎではないほど重要なユニットである。

高いギアのまま強めにアクセル・ペダルを踏むとほんのわずかにラグに悩まされることになるが、全般的には極めて力強く、アップ・シフト時のバックファイヤー音を含めて刺激的なものであることは間違いない。

コンフォート・モード時に7速ATをマニュアルに設定すると、その動作はもっさりとしているが、スポーツ・モードにセットすると、驚くほどシャープな変速をしてくれる。スロットル・レスポンスも同様だ。

ステアリングに多様なモードが用意されないのは、かえって幸いで、重みも一貫して最適である。リアリティのあるフィードバックは(どの電制システムもそうであるように)希薄ではあるが、中でも優秀な方だと感じる。

4WDシステムはさらに好印象。基本的には前輪にすべてのパワーを与えることになるが、ESPをスポーツ・モードに切り替えれば、後輪にもパワー供給がなされる仕組みだ。

しかし言いかえれば、後輪への供給量は前輪を上回ることはないということだから、最も楽しいシャシーかと問われれば首を縦に振ることはできない。ただしクーペに比べると、スリルは全く劣っていない。

グリップは強大であり、コーナリング時のアクセルの踏力によるコントロールも自信をもって行うことができる。仮にターンインが遅れたとしても、従順な性格のおかげで、そこからの立て直しも簡単だ。

乗り心地もすこぶる好印象。AMGではないCLAシューティング・ブレークよりも確かに快適性が高い。特に荒い路面で構成されるコーナー上での衝撃のいなしには舌を巻くものがある。

残念なのはキャビン後方のスペース。改善されたといえども、やはり狭いものは狭い。平均的な大人が座ったとしても膝は前席に圧迫されるし、頭は常に天井を擦るはめになる。長身の人なら不快感すら覚えるだろう。うしろにスロープしたサイド・ウインドウの形状も、閉鎖感を感じずにはいられない。

額面上ではシューティング・ブレークの荷室容量はアウディA4アバントやBMW3シリーズ・ツーリングと同じであるが、実際には開口部は横方向に狭いうえに、リップが分厚く、深さもないため、’実用的’ という言葉からは程遠い。スタイルを優先したがゆえの明確なトレードオフである。

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