「このままの形で生産可能」 プジョー、最高出力816psのホットハッチ『e-T16』を来年にも量産か 『RCZビジョン』実現は不透明

公開 : 2026.10.19 12:05

RCZの実現には「5~6年」かかる?

プジョーはRCZビジョンのようなクーペの販売も検討しているが、その低重心なプロポーションは既存のEVプラットフォームや技術では実現が難しい。

このコンセプトカーのデザインは、内燃機関車の給油時間とほとんど変わらない時間で充電できる、薄型でエネルギー密度の高い全固体電池の使用を前提としているが、こうした電池は現時点ではまだ商業的に実用化されていない。

パリ・モーターショーで公開されたプジョーRCZビジョン・コンセプト
パリ・モーターショーで公開されたプジョーRCZビジョン・コンセプト    AUTOCAR

ファヴェ氏は、「これはウィッシュリスト(欲しいものリスト)です。わたし達に必要なのであり、たとえ5年か6年かかろうとも、いつかは実現したい。e-T16とはまったく別の話です」と述べている。

ファヴェ氏はまた、以前の『108』のようなAセグメントのエントリーモデルを新たに投入する可能性を否定した。

「(新型の)シトロエン2CVのように、他ブランドが得意とする市場セグメントに参入する計画はありません。価格面で下位の市場に降りるつもりはなく、むしろ上位市場を目指し、将来に向けてより高い価値と洗練されたデザインを提供していくつもりです」

伝統を守るためにすべきこと

この戦略により、欧州の大手メーカー数社からすでに大きな市場シェアを奪っている、コストパフォーマンス重視の中国ブランドとの競争から脱却できるという。ファヴェ氏は次のように説明した。

「これは価格を大きな武器とする中国メーカーのような競合他社に対抗するための戦略です。価格競争では勝てないことは分かっています。その理由は数え切れないほどあります。これが、わたし達が勝てない戦いであることは、皆さんもよくご存知でしょう」

パリ・モーターショーで公開されたプジョーRCZビジョン・コンセプト
パリ・モーターショーで公開されたプジョーRCZビジョン・コンセプト    AUTOCAR

「しかし、わたし達は実際に商業面での戦いに勝っています。デザイン、技術、イノベーションにおいて明確な姿勢を示すこと。それこそが、スポーティなクルマを生み出すというわたし達の本領です」

「プジョーには参照すべき伝統があります。この伝統を今後200年間も守り続けたいのであれば、ここ欧州の伝統や経済、雇用に貢献しているクルマを買うべきではないでしょうか」

「それもまた伝えるべきメッセージです。もしこの伝統を20年後も残したいのなら、どのブランドを買うか、それが欧州経済に貢献しているかどうかを考えることが、購入プロセスの一環となるべきでしょう」

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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