多くの競合へ勝る楽しさを予感 プジョー E-208 GTi(2) コンパクトでパワフル、スポーティ ポテンシャルは間違いなく高い

公開 : 2026.10.06 18:10

プジョー E-208にロー&ワイドな「GTi」が登場。プジョー・スポールが協力し、282psのモーターと専用サス、LSDで強化しています。コンパクトでパワフル、かつスポーティな実力を、UK編集部がテストしました。

悪条件でも多くのライバルに勝る楽しさを予感

プジョー E-208 GTiを今回試乗したのは、グレートブリテン島北部のスコットランド。雨に濡れたアスファルトは、走りを確かめるのに理想的なステージとはいえなかった。

それでも、連続するカーブを積極的にクリア。乾燥した路面なら、多くのライバルに勝る楽しさを味わえるであろうことは、充分に予感できたといえる。

プジョー E-208 GTi(欧州仕様)
プジョー E-208 GTi(欧州仕様)

ステアリングホイールは比較的小径で、適度な重さがあり、手のひらにはしっかりとした接地感が伴う。反応は極めてダイレクトといえ、キビキビとした回頭性を叶えている。動きが神経質だったり、旋回時にトルクステアへ悩まされることもない。

サスペンションは硬めながら、タイヤはしっかり路面を掴み、ロードホールディング性は良好。グリップ状態を感じ取りやすく、自信を持ってカーブへ飛び込んでいける。身のこなしは機敏で、本格的なスポーツハッチバックらしい性格にある。

優れたトラクションと不足ないパワーで運転へ没入

パワートレインは素直で活発。直感的に、高めのスピードで操れる。エンジンやMTをシミュレートした電気的なギミックはないが、優れたトラクションと、不足ないパワーで充分に運転へ没入できる。

回生ブレーキを調整できる、シフトパドルはない。むしろプジョー・スポールは、スポーツ・モード時に回生ブレーキが無効になるよう設定している。そのため、アクセルペダルを戻すと惰性走行し、ブレーキペダルを踏むと摩擦ブレーキのみが機能する。

プジョー E-208 GTi(欧州仕様)
プジョー E-208 GTi(欧州仕様)

これは一貫したペダルの重み付けや、シンプルな操縦感を求めるドライバーには、理想的な仕様かもしれない。だが、油圧サーボのチューニングが不充分なのか、ブレーキペダルの踏み心地が若干頼りないのが惜しい。通常の208と、違いは感じにくかった。

運転支援システムのメニューには、便利なボタンがある。長押しすることで、自分に不要な支援機能をオフにした状態で登録でき、次回からはショートカットとして使える。

汎用性に制限のあるホットハッチ

電費は、主にスポーツ・モードで3時間ほど駆け回って、平均5.1km/kWh。少し意欲的に運転すると、現実的に1充電で走れる距離は260kmほど。悪い数字ではないが、強みになるほどでもないだろう。100kWの急速充電も、より速いライバルは存在する。

アルピーヌA290やミニ・クーパー・エレクトリックと同様に、運転を楽しめるものの、汎用性には制限のあるホットハッチだといえそうだ。コスパに優れドライバーも満たす、過去の傑作へ並ぶ総合力の獲得は、簡単ではないらしい。

プジョー E-208 GTi(欧州仕様)
プジョー E-208 GTi(欧州仕様)

ただし、英国価格は競争力が高そう。EV補助金を差し引いて、3万3495ポンド(約697万円)から注文できる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

プジョー E-208 GTiの前後関係

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