1980年代のラリーカー205 T16から着想 プジョー『e-T16コンセプト』公開 816psの高性能EV、次期『e-208』への布石に

公開 : 2026.10.12 17:25

プジョーは最高出力816の高性能EVコンセプト『e-T16』を公開しました。1980年代に世界ラリー選手権で活躍した『205 T16』へのオマージュであり、次期『e-208』のデザインを予告するものです。

反響があれば量産化も検討

プジョーは、最高出力800psを超える高性能EVコンセプト『e-T16』を発表した。次世代の『e-208』のビジョンを提示するモデルであり、今後数年のうちに量産化される可能性がある。

e-T16コンセプトは、1980年代に世界ラリー選手権(WRC)で2度の優勝を果たしたグループBの『205 T16』に着想を得て、アグレッシブなボディワークをまとっている。来年登場予定の新型e-208では、こうした新しいプジョーのデザイン言語「Feline Future」を採用することになる。

プジョーe-T16コンセプト
プジョーe-T16コンセプト    プジョー

コンセプトカーの最高出力は816ps、0-300km/h加速はわずか16秒とされる。

プジョーは、現時点ではあくまでコンセプトカーであると主張しているが、デザインディレクターのマティアス・ホッサン氏はAUTOCARに対し、「十分な関心が寄せられれば、量産化を検討する」と語っている。

「これは現実的なビジョンであり、実現に向けて親会社であるステランティスの技術要素も活用しています」とホッサン氏は述べた。

フォーミュラEのパワートレイン搭載?

技術仕様の詳細は明らかにされていないが、新型e-208のベースとなるSTLA Oneプラットフォームを採用しているとみられる。その816psという出力はフォーミュラEのレーシングカーと同等だが、同シリーズ向けに開発されたステランティスのパワートレインを搭載しているかどうかは不明だ。

デザイナーたちは、プジョーの世界耐久選手権(WEC)プログラムを運営し、『e-208 GTi』の開発にも携わったPSEチームと協力して、走行可能なプロトタイプを開発している。これは、十分な数の購入希望者が集まった場合に、ホモロゲーション取得を目指すためだ。

プジョーe-T16コンセプト
プジョーe-T16コンセプト    プジョー

ホッサン氏は、e-T16の量産モデルにおける優先事項は、「サーキットだけでなく、公道でも運転できる」ようにすることだと述べた。

e-T16は、フランスの競合であるルノーの5ターボ3Eのライバルのように思えるが、ホッサン氏は両車のコンセプトの違いを強調した。「ロジックは同じですが、パワーは異なります。パフォーマンスの違いは明らかですが、こうしたモデルの素晴らしい点は、ホットハッチが復活しつつあることです」

プジョーの歴史を未来へ受け継いでいく

全長約4.1mの量産型e-208よりわずかに大きいものの、全体的なシルエットはほぼ変更されずに販売店に並ぶことになるだろう。実際、ホッサン氏はe-T16を「非常に現実的な」プレビューだと表現している。

前後に配置されたライトバーは、プジョーの「ライオンの爪」モチーフを新たに解釈したもので、『205』のフロントグリルから着想を得ている。今後、他のモデルにも採用される予定だ。

プジョーe-T16コンセプト
プジョーe-T16コンセプト    プジョー

ただし、ホッサン氏は、今後のモデルにおいてレトロなデザイン言語へ移行する計画を示すものではないと強調し、「205を反映した要素やパーツがいくつか見られますが、レトロデザインに固執しているわけではありません」と述べた。その代わりに、新型e-208はプジョーの伝統に従うことになるという。

「205と206はまったく異なるモデルでしたし、207から208へと続きます。毎回異なるデザインですが、雰囲気やグラフィック要素を取り入れることでモデル間のつながりを保っています。これはプジョーのBセグメント車すべてに共通するロジックでした」

新型e-208は2027年初頭に量産仕様が公開される予定で、同年後半には、現在販売されている内燃機関搭載の208に代わるEVとして発売される。現行の208もほぼ同時期に大幅改良が施され、2030年以降も販売が継続される見込みだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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