ボナムス・クアイル・ロッジ・セール

●2015.08.14　カーメル／CA／U.S.A. モントレー・ウイークのメジャー・オークションは13日のRMピナクル・オークションから始まった。しかし結果の発表が遅れているため、次に行われたボナムス・クアイル・ロッジ・セールを先行して紹介しよう。  
夏のモントレー・ウイークは、クルマ好きにとって１年を代表する世界的な一大イベントで、世界中からエンスージァストが集まるだけに、例年通りメジャー・オークショナーが一堂に集結した。まずは8月14日に開かれたボナムス・クアイル・ロッジの模様をお伝えしよう。 ボナムス社にとって頂点に位置するオークションだけに、この日のためにとびきりのモデルが数多く集められた。今回の象徴と言える存在が1959年型フェラーリ 250GT LWBコンペティツィオーネ・インテリム・アロイだ。250GT TdFと250GT SWBの間に誕生した過渡期のモデルで7台のみが作られた。あまりオークションに姿を見せないモデルで、この個体は1959年のツールド・フランスで総合3位を記録し、その後アメリカのレースでも活躍したヒストリーを持つ。2012年にフルレストアが行われ、現在はフェラーリ・クラシケの認定も得て完璧な状態にある。それだけに最終的に10億6137万円という最高落札価格を記録した。 これに続いたのはフェラーリ 365GTS/4 デイトナ・スパイダー（3億2868万円）、フェラーリ 288GTO（2億9445万円）、フェラーリ 212 インテル・カブリオレ（2億7390万円）、ランチア・アウレリア B24S スパイダー・アメリカ（2億4309万円）、フィアット 8V スーパーソニック（2億2597万円）で、これがベスト6となった。 これらの落札額を見ると、フェラーリのアイテムカーの強さは健在だが、今年初頭のオークションに較べ1〜2割ほど下落している。あまりにも高騰してしまった反動なのか、これからの動きを見て行きたい。また、今回に限らずフェラーリの’50年代前半のストラダーレも高値が付かなくなってきた。コアなマニアが愛でるモデルだけに、現在のオークションのメインとなる世代の嗜好とズレが出てきたようだ。 その一方でランチア・アウレリア B24S スパイダー・アメリカは新記録となる2億4309万円で落札され、BMW M1も確実に値を上げてきている。意外なところではシアタ 208S 2座スポーツが驚きと言える1億3353万円まで値を上げている。 オークションで人気メイクスのポルシェを見てゆくと、貴重な1955年型ポルシェ 356 プリA コンチネンタル・カブリオレは3698万円を記録する一方で、昨今１億円の値で取引される73カレラは、4040万円という思わぬ安さで終了している。由緒正しい本物の1973年型カレラRSツーリング仕様なのだが、後年に2.8 RSRスペックに改造されていたためなのか、相場が落ちているのかは、これからの動きで確認したい。 しかし、ポルシェの普通のモデルは以前ほどの値が付かなくなり、912は685万円と以前の相場に近いところまで落ち、930系も以前ほどの勢いは見られない。ポルシェに限らず、本当に価値があるかないかで値段が決まるという、本来の姿に戻りつつあるようだ。