ランボルギーニのカーボン・タブ修復師の苦悩 ボーイングの技術使用 世界に6拠点

公開 : 2017.02.19 16:00  更新 : 2017.07.01 12:51

アヴェンタドールのカーボン・タブ修復のプロセスを公開 つらい理由は?

修復可能と判断された場合、まずは、ダメージを受けた部分を中心に丸い穴を開ける。切り口の部分は薄く研磨していくことで、可能なかぎり薄いレイヤーにする。

そこに樹脂のレイヤーを追加する。熱で温め、やわらかくして整形し、固まるまで待ったあとに、8層に重ね合わせたカーボンの繊維を表面に貼りつける。空気を挟みこまないように、細心の注意を必要とする。

細心の注意と書いてしまえば簡単なものだが、このプロセスにはかなりの時間を要す。たとえばダメージを受けた部分が複雑な形状だったり、あるいは小さい範囲の修復だったりすると、作業はかなり込み入ったものになるのである。

「これまで作業したなかで、もっとも小さな範囲だったとしても、(このプロセスだけで)1日がかりです」と職人は言う。「たとえ小さなミスだったとしても、一からやり直す必要もあります」

しかしながら、さらに神経質な作業がこのプロセスのあとも続く。リペアした部分にメタル・プレートをマウントするのだ。

ワイヤーを均等に貼り付け、さらにそれを工業用のホット・ボンドでつなげる。その際の温度は120℃。2時間じっと修復部分と温度計を見つめていなければならない。むろんここで何らかのミスが生じたとしても、最初からやり直しである。

プロセスに成功したら、つぎは余分な樹脂を取り除く作業が残っている。

これらの作業が終了して初めて、長い時間をかけてもダメージが再発しないアヴェンタドールが完成するのである。

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