実測で航続距離603km メルセデス・ベンツCLA 350「シューティングブレーク」 ツインモーターで余裕の走り

公開 : 2026.04.28 18:25

欧州COTYへ輝いたCLAに、シューティングブレーク登場。荷室は先代から狭まったものの、350はツインモーターで余裕ある走りを実現。実測で1充電の航続距離が600kmを超えました。UK編集部による試乗です。

デジタル技術満載のダッシュボード

バッテリーEVの技術は、かつてないほど早く古びて見えるようになるらしい。メルセデス・ベンツCLAは2025年に発表され、欧州カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。クラス最高水準の航続距離を誇り、走りの水準も高かった。

しかし、最新のBMW i3は、1充電で885km走れるという。こんな環境で好調な販売を維持するには、さらなる新規性が求められる。それへ応えるのが、350のシューティングブレーク。ツインモーターの四輪駆動、4マティックも設定されている。

メルセデス・ベンツCLA ウィズEQテクノロジー・シューティングブレーク(欧州仕様)
メルセデス・ベンツCLA ウィズEQテクノロジー・シューティングブレーク(欧州仕様)

デジタル技術は満載。ダッシュボード全面にモニターが並ぶ、MBUXスーパースクリーンは、AMGライン・プレミアムとプレミアムプラス・グレードで標準とのこと。助手席側にも14インチ・モニターが据えられ、ストリーミングやゲームも楽しめる。

タッチモニター・システムには、AI技術も実装。その存在感へ、圧倒される人もいるだろう。走行中の「デジタルサウンドスケープ」は、スピード感を得るのに有効。機械的なノイズや鈴の音など、多様な人工音が用意されている。

先代より広くなく、特別感の薄い車内

ボディサイズは、全長4723mm、全幅1855mm、全高1469mmで、サルーンの新型CLAより僅かに背が高いだけ。先代からは大幅に成長したが、後席の広さが殆ど変わりないのは、電動パワートレインによる影響が大きいはず。

ホイールベースは61mm長く、パノラミックガラスルーフが天井を僅かに高くしているが、テスラモデル3ほど寛げるわけではない。特に足元の余裕が限られ、乗降性に優れるわけでもない。そのかわり、前席側は広々としている。

メルセデス・ベンツCLA ウィズEQテクノロジー・シューティングブレーク(欧州仕様)
メルセデス・ベンツCLA ウィズEQテクノロジー・シューティングブレーク(欧州仕様)

内装は、従来の同ブランドへ期待する水準にあと1歩。全体的にツヤツヤのプラスティック製パネルが多く、部分的に触れると軋む。化粧パネルの艶は深みが足りないように見え、特別感ある上質さが醸し出されている、とは表現しにくい。

荷室容量は455Lで、先代より30L狭い。ルーフが伸びたため、ルーフレールの耐荷重も100kgから75kgへ減っている。サルーンより、大幅に実用性が増すとはいえないかも。

現実的に1充電で約600km先は狙える

動力性能に優れたツインモーター版の場合、車重が増えるため、シングルモーター版より航続距離が明らかに短くなる例は多い。しかしCLA 350の4マティックでは、フロントに非同期モーターを積み約33kg増えても、30km前後短くなるだけだという。

実際、今回の試乗では様々な条件を複合的に走らせて、603kmの航続距離を得られた。高速道路が中心になると短くなるが、480km程は期待できる。

メルセデス・ベンツCLA ウィズEQテクノロジー・シューティングブレーク(欧州仕様)
メルセデス・ベンツCLA ウィズEQテクノロジー・シューティングブレーク(欧州仕様)

後輪駆動の250+では、やや動力性能に物足りなさがあるものの、350 4マティックでは改善。キビキビと、求めた速度に到達できる。AMGを除くCLAの最強仕様として、もう少し余力はあっても良いかもしれないが。

リアのモーターには2速ATが組まれ、高速域に差し掛かるとシフトアップする。フロントのモーターは変速時のパワーギャップを埋め、シームレスさを高めている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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