オーストラリアでの自動車生産、今年10月をもって終了に

公開 : 2017.03.06 11:34  更新 : 2017.06.01 00:28

オーストラリアの高い賃金も引き金に

また、この生産終了の背景には、オーストラリアの高い賃金という問題もあった。タイの最低賃金は、1時間につき230円だが、オーストラリアでは510円となる。また、FTAが締結され、関税がなくなったことも大きかった。ホンダ日産三菱マツダといったメーカーのクルマが安価にタイから輸入されるようになったのだ。

タイは「アジア・パシフィックのデトロイト」と呼ばれるまでに自動車産業が発達してきた。アジア・パシフィックでは、日本、オーストラリアに続く3番目の生産規模となっており、既に韓国よりも大きな生産市場となっている。

もちろん、オーストラリア独特のモデルもあった。コルベットのV8を搭載したホールデン・コモドアや、V8スーパーチャージャーあるいは直6ターボを搭載したフォード・ファルコンなどといったハイ・パフォーマンス・サルーンだ。パワフルなエンジン、強大なブレーキ、そしてハイグリップなタイヤという組み合わせは、オーストラリア独特の自動車文化であった。しかし、ベースとなるサルーンがSUVなどに取って代わられ売上が激減してしまい、そして、フォードもホールデンもサルーンの代用となるモデルを持っていなかったのである。皮肉にもその結果、ハイ・パフォーマンス・サルーンの売上は、サルーン全体の半分を占めるという結果になった。



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