「鉄系溶射皮膜」ってナニ? 日産のNMRPが、他社も利用可能に

公開 : 2017.09.15 14:20  更新 : 2017.09.15 14:26

鉄系溶射皮膜 困難だった量産

一方、「鉄系溶射皮膜」は、従来の技術では安定した品質で量産を行うことが難しく、一部の高性能エンジンにしか採用されなかった。量産には、高度な溶射技術にくわえ、常に爆発・圧縮にさらされるシリンダーボア内面でも、溶射した皮膜が密着を維持する技術が必要であるからだ。

日産の溶射シリンダーボア粗面化技術 NMRP(ニッサン・マシニング・ラフニング・プロセス)

日産が開発したNMRPは、ボーリング加工の一種で、工具と加工条件を最適化することにより、溶射皮膜が強固に密着するようシリンダーボアの内面を粗面化する技術。NMRPと適切な溶射技術を組み合わせることで、鉄系溶射皮膜を持つエンジンの安定的かつ安価な量産が可能となる。

日産は、「日産GT-R」のVR38DETエンジンに初めて鉄系溶射被膜を採用し、その後
・「ジューク16GT」MR16DDTエンジン
・「インフィニティQ50/Q60」VR30DDTTエンジン
・「パスファインダー/インフィニティQX60」VQ35DDエンジン
・HR12DDRエンジン
MR20DDエンジン
など、高性能エンジンだけでなく、ミニバンやコンパクトカーなどの新世代低燃費エンジンにも採用を拡大している。

おすすめ記事

 

自動車ニュースの人気画像