I-PACEのフォーミュラEサポートレース ジャガー人気に火がつくか?

公開 : 2017.11.18 18:40  更新 : 2021.07.12 18:38

ジャガーは、I-PACEをもって、EVのフォーミュラ世界選手権「フォーミュラE」のサポートレースをおこないます。これがジャガー人気に火をつけるのでしょうか? 桃田健史さんが見解を書きました。

text:Momota Kenji(桃田健史)

JLR 2018年末から20台レベルで開始決定

ランドローバージャガー(以下、JLR)は2017年11月上旬、EVのフォーミュラ世界選手権「フォーミュラE」2018〜2019シーズンから「I-Pace」によるサポートレースを開催すると発表した。

「I-PACE」は、ジャガーブランド初のSUVとして2016年に発売した「F-PACE」のEVバージョン。ボディサイズは、全長×全幅×全高=4680mm×1560mm×1890mm。

パワートレインは、ふたつのモーターで定格出力が400ps、最大トルクが71.4kg-m。リチウムイオン電池二次電池の電気容量は90kwhで、出力50kwの急速充電で満充電の80%まで約90分間かかる。満充電での航続距離は500kmだという。

一方、「フォーミュラE」は2014年9月に北京グランプリを皮切りに始まったFIA(世界自動車連盟)主催の新進シリーズ。一般的に「EVのF1」と称されることが多いが、これまでは参加ドライバーが元F1ドライバー、元インディカードライバー、またはF1への昇格待機組など「二流」のイメージが強く、将来的にF1に代って世界を背負って立つ存在になるとは、メディアは思っていなかった。

だが最近、ジャーマン3(ダイムラー、BMW,VWグループ)が大規模なマーケティング戦略として「EVシフト」を打ち出したことで、自動車業界全体でEVに対する関心が一気に高まり始めている。

国の施策でも、中国でEV、プラグインハイブリッド車、燃料電池車などをNEV(ニュー・エネルギー・ヴィークル)と呼び、NEVの販売台数の義務を自動車メーカー各社に課すNEV法が2019年から実施されるなど、世界各地でEVを含めた規制が本格化する。

そうした中で、ポルシェアウディも2018年末に始まるフォーミュラEの次期シリーズに参戦することが決定した。すでに参戦しているルノー日産、インドのマヒンドラ・マヒンドラ、ジャガー、さらに中国のEVベンチャーであるネクストEVを含めて、フォーミュラEの世界的な認知度が上がる可能性がある。

そのタイミングで、ジャガーはサポートレースに2018年下期発売予定の「I-PACE」を使ったサポートレースの開催を決めたのだ。

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