FCAとPSAの対等合併 「地中海同盟」何をもたらす? 「弱者連合」を否定できる3つのワケ

2019.11.01

サマリー

FCAとPSAの対等合併が、取り沙汰されています。「地中海同盟」ともいえるこの合併。なかには「弱者連合」などという人もいますが、実は違うのです。われわれクルマ好きにもプラスになるような、3つのメリットがあります。

もくじ

FCAとPSA 資本上は50/50の対等合併
「弱者連合」を一蹴できる3つのワケ
背景まるで異なる両会長 正念場は雇用

FCAとPSA 資本上は50/50の対等合併

text:Kazuhiro Nanyo(南陽一浩)

数か月前の日産ルノーとの時のように、フィアット・クライスラー・オートモビルズ(以下FCA)にしてみれば、コケる可能性もなくはなかった。

もう一方のPSAグループにしても、2009年の三菱自動車との「合併未遂」があった。

フランスとイタリアの自動車業界を代表するPSA/FCAが、資本上は50/50の対等合併を将来的な視野に、統合計画の合意に至ったと、公式発表した。
フランスとイタリアの自動車業界を代表するPSA/FCAが、資本上は50/50の対等合併を将来的な視野に、統合計画の合意に至ったと、公式発表した。

だが10月31日、欧州時間の早朝に、フランスとイタリアの自動車業界を代表する両者が、資本上は50/50の対等合併を将来的な視野に、統合計画の合意に至ったと、公式発表した。

まだトップ同士が意志を確認し合った段階で、統合にまつわる細かい条件について話し合うのはこれからの状況だからだ。

これまでの破談の経緯から、弱者連合と揶揄する声は早速、少なくない。販売台数規模で見れば、両グループ合わせて870万台程度で、グローバル市場でトップ3を占めるVWグループ、トヨタグループ、日産ルノーグループはすべて1000万台クラブだし、今まで4位だったGMも約840万台ある。

その上、電化技術の開発に遅れているとか、技術開発費に回せるキャッシュフローが少ない、そんな根拠だ。

じつは欧州に展開する自動車メーカーのCO2排出量スコアを見ると、PSAグループとFCAは概して思われているほど悪くない。

トヨタがトップだが、プジョーとシトロエンはそれに続き、ルノーとスズキを挟んでフィアットが6位に続く。VWに至っては11位、マツダは20位の有り様だ。

これは当然、来たるべきCO2排出ペナルティによって利益が削られる可能性に直結している。

来年早々にPSAグループはいわゆる欧州Cセグメント、自社でいうプジョー308や競合相手でいうVWゴルフから上のクラスではPHEVを、さらに下のフィアット・プントやプジョー208が相当する欧州BセグメントではEVを市販する。

特定の自治体や企業ユーザーによる社会実験以外の枠組みで、普及価格帯のボリュームゾーンでの電化モデル市販は、欧州では相当に野心的なことだ。

技術ポートフォリオ面で、電化が遅れていたFCAはPSAのそれをアテにできるし、PSA側はFCAが電化に参画することで、技術開発や充電インフラの投資コストにスケールメリットを見い出せるし、普及拡大のスピード感も違ってくるだろう。

電化以外の部分でも、メリットがある。

 

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