ロードテスト ヴォグゾール・コルサ ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2020.02.01 20:50

内装 ★★★★★★★☆☆☆

プロポーションの変化は、外観だけでなく、室内でも明らかに知ることができる。

以前のモデルは、少なくともここ数代を見る限り、機能優先のコンパクトカーだったといえる。やや高めのルーフとヒップポイントを備え、小さな面積の中でより便利に使えるキャビンスペースを稼ぎ出した。

旧型のオーナーが慣れるまでに時間を要しそうなのは、低まったドライビングポジションと、やや狭まったドア開口部だ。
旧型のオーナーが慣れるまでに時間を要しそうなのは、低まったドライビングポジションと、やや狭まったドア開口部だ。    OLGUN KORDAL

対して新型は、全高とドライビングポジションが低められ、スペース効率は先代より低下した。メーカーがどう説明しようと、室内が狭くなったことはマイナス材料だ。

旧型のオーナーが慣れるまでに時間を要しそうなのは、低まったドライビングポジションと、やや狭まったドア開口部だ。反対に、質感と車載テクノロジーは間違いなく向上している。

乗り込んでみると、足元スペースの浅さに気づく。また、メーターまでの距離は遠い。いずれも、PSA由来のプラットフォームがベースであることを示す要素だ。

しかし、キャビンで気づくことはそれだけではない。ハイグロスなブラックとクロームのトリムがふんだんに用いられ、ダッシュボードの中央には10.0インチのワイドディスプレイをインストールされている。

どちらも、最近の量販ハッチバックによく見られる手法だ。各メーカーはそうすることにより、高価で高級な印象を高めようとしている。とくにツヤのあるトリムは、歴代どのコルサのインテリアよりも豪華で上質な見栄えを演出する。

ところが、手触りのほうはそれほどほめられたものではない。それは主に、ダッシュボードやドアパネルを形成する硬いプラスティックが理由だ。

それでも、十分に効果は出ている。表面上はたしかに、目新しい高級感と、テクノロジーの先進性を感じさせるインテリアに仕上がっている。

だが、後席空間に関しては、あまり出来がいいとは思えない。ルーフと着座位置が低くなったことの弊害で、リアシートのレッグルームが小さくなってしまっているのだ。

われわれの計測値では、ヘッドルームは890mmと極端に低いわけではないが、レッグルームは620mmとかなり狭い。ポロやイビザはこれより5cmほど、ほかのライバル車ならもっと大きな値を有している。

ラゲッジルームは、先代比で10%ほど拡大し、通常時で309L。最大時は1118Lまで拡大できる。同クラスのライバルには十分匹敵するが、それを大きく凌ぐものではない。

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