【手軽で安価なスポーツカー】 BMW Z4/Z4 M 英国版クラシック・ガイド ソフトトップに注意

公開 : 2020.08.30 07:20  更新 : 2020.12.08 08:35

手頃に入手できる、クラシックモデルとして価値を高めつつあるBMW Z4。エンジンの種類も豊富で信頼性も高く、日常的にも乗りやすい。幅広いドライバーに答えてくれる2シーターは、価格上昇前の今が乗り時といえそうです。

4気筒から6気筒のMまで多様なエンジン

text:Malcom McKay(マルコム・マッケイ)
photo:James Mann (ジェームズ・マン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
BMW Z3よりひと回り大きく、3倍のボディ剛性を誇りながらも、ほぼ同等の車重を実現していたBMW Z4。デザイナーのクリス・バングルによる、明快なスタイリングも特徴だった。

ドライビングポジションは大幅に改善され、クリーンでモダンなインテリアからは、高品質さも感じ取れる。全体的に上級志向となり、先代のZ3ほどの台数は売れなかった。

BMW Z4(2003年〜2009年/英国仕様)
BMW Z4(2003年〜2009年/英国仕様)

6年間で登場したエンジンは、2.0Lの4気筒のほか、2.2Lと2.5L、3.0L、3.2Lの直列6気筒と幅広い。アルピナ版では3.4Lが搭載されている。オプションも多彩で、幅広い間口を持つモデルだった。

購入するなら、エンジンやオプションの内容には気をつけたい。まれに理想的なグレードのZ4を、安価に入手できることも。

スタイリッシュで実用性を高めた、高性能なクーペも遅れて登場。ロードスターより若干硬めのサスペンションを備える。需要に対して流通量は少なく、価格は高めで取引されている。Z4シリーズの中でも頂上を飾るのは、Z4Mだ。

アルピナからもロードスターSが登場。3.4Lの直列6気筒にアルピナ製ホイール、特製のインテリアにボディキット、サスペンションなどを装備する。

コレクターズアイテムとして、今後値上がりの可能性も考えられる。今のところ、アルピナ・ロードスターSは、Z4Mより安価傾向にはある。

英国では製造年によって税率が変わる。日本でも登録から13年を過ぎると、税率が上がるので注意したい。

ソフトトップ開閉用モーターには注意

Z4は快活な動的性能を備えている。乗り方に合ったエンジンを選びたい。排気量が小さいエンジンは、大きいエンジンより遅いだけ。BMWとして自慢したいなら2.5Siくらいは欲しいが、ゆったり週末ドライブを楽しむなら、小さいエンジンで充分だ。

Z4の2.2Lエンジンは、M54と呼ばれる直列6気筒。2006年のフェイスリフトでN52に置き換わっている。

BMW Z4(2003年〜2009年/英国仕様)
BMW Z4(2003年〜2009年/英国仕様)

Z4には、バイワイヤー式のスロットル、トラクションとスタビリティ・コントロールなど、数多くの電子機器が搭載されている。オプションで、ドライブモードをスポーツとコンフォートで切り替えることも可能だった。

BMWとして、電動パワーステアリングを初採用したモデルでもある。ソフトトップは完全な電動式で、手でロック解除する手間もない。開閉は10秒以下で完了する。

残念なことに、このソフトトップを開閉するモーターは、雨水のドレインエリアに搭載されている。ドレインが詰まると、雨水でモーターも水に浸かってしまう。

Z4には愛好家も多く、修理や整備の情報も手に入りやすい。クラシックモデルとして、評価を支える環境ができているともいえる。

2006年にフェイスリフトを受け、電子機器類の装備も充実した。後期型のZ4の方が価値は高め。選ぶなら直近の数年間、愛情が注がれてきたかどうかの方を重視したい。

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