【手軽で安価なスポーツカー】 BMW Z4/Z4 M 英国版クラシック・ガイド ソフトトップに注意

公開 : 2020.08.30 07:20  更新 : 2020.12.08 08:35

BMW Z4中古車 購入時の注意点

まずは整備記録を確かめる。ダイアグノーシスによるコンピューター診断で、過去の履歴がしっかりわかる。定期的な整備が重要。保証内でシリンダーヘッドやリフターの交換がされている例もある。当面は安心だろう。

同年式のBMW製サルーンと比べれば、走行距離は短め。ただし、手入れがしっかしされてきた走行距離が長めのクルマも、選択肢としては悪くない。

BMW Z4(2003年〜2009年/英国仕様)
BMW Z4(2003年〜2009年/英国仕様)

フェイスリフト前のM54エンジンは信頼性が高いものの、吸気量を調整するDISAバルブなどが不具合を起こすことがある。ミスファイアやパワー低下といった症状が出たら、修理が必要。比較的簡単で、自分での交換も可能だ。

バノスシールに不具合が起きてもパワーが落ちる。シール自体の価格は安い。

フェイスリフト後、Mを除く6気筒エンジンはN52型へスイッチ。エンジンオイルの量を調べるディップスティックがなく、メーターパネルからのチェックのみとなった。

電動ウォーターポンプは、9万kmほどが交換時期。費用は安くなく、放置するとオーバーヒートにもつながる。

トラクターのような大きな音が出る、油圧リフターのノイズも悩みどころ。エンジンが温まれば止まるし、ダメージをもたらすことはないものの、修理は高い。

Z4Mが搭載するのはS54型ユニット。定期的にバルブクリアランスの確認が必要。コンロッド・ベアリングやボルト類も交換が必要になることも。異音がある場合は注意したい。ベアリングの交換は、英国では1500ポンド(20万円)程度の費用がかかる。

ヘッドガスケットやエンジンマウント、タイミングチェーンのガイドやバノスフィルターの交換履歴も確かめておきたい。

不具合を起こしやすいポイント

ソフトトップ

ソフトトップ自体の状態と動きを確かめる。雨水の排水口が詰まると、モーターも水に浸ってしまう。対応策として、モーターをトランク内に移動するという手法がある。

ボディ

リアフェンダーは、ホイールアーチ裏側やバンパー付近で錆びやすい。多くがフェンダーのどこかで錆びている。クーペの場合、リアハッチが錆びることも。

BMW Z4(2003年〜2009年/英国仕様)
BMW Z4(2003年〜2009年/英国仕様)

ドアハンドルがスムーズに動くかを確かめたい。ハンドルの樹脂が劣化したり、ケーブルが摩耗して切断や固着することがある。

エンジン

M54型ユニットの場合、ミスファイアはDISAバルブの交換で治る。N52型ユニットの場合、エンジンオイル不足で油圧カムリフターから異音が出る場合がある。クーラント・タンクからの液漏れにも注意したい。

電装系

電気系統が正常に動くかを確かめる。特にパワーウインドウや集中ドアロックなど。メーターパネルの警告灯にも気をつけたい。

ステアリング

Mモデル以外のパワーステアリングは、電動式。操舵時に違和感がある場合は、調整で治ることがある。まれに、モーターやラック自体の交換が必要になることも。

ホイールとサスペンション

ホイールのガリ傷や変形、タイヤの製造年や残り溝を確認する。リア・サスペンションのスプリングは、折れることがある。安定性の悪さは、サスペンション・ブッシュが原因。

インテリア

シートのヘタリや摩耗を確かめる。特に運転席側のサイドサポートは傷む。カーペットが湿っている場合、電子機器に不具合を与えるので要注意。

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