【詳細データテスト】プジョー e-2008 装備内容は充実 可もなく不可もないシャシーと動力系 航続距離は物足りない

公開 : 2020.10.10 16:50

SUV色の薄まった新型2008、そのEV仕様はファミリーカーとして十分な広さを備え、ハンドリングにも大きな欠点はなし。しかし動力性能は平凡で、航続距離も不足気味。もう1~2割高ければ、評価は高まったのですが。

はじめに

ほんの数年前まで、電気自動車市場ではきわめて控えめな端役に過ぎなかったグループPSAが、最近になってバッテリー動力の未来について真剣に考えていることを明確にした。グループ初のEV専用プラットフォームとなるeVMPを開発し、3年以内に市販化すると発表したのだ。

それまでの間、グループ全体でコンパクトな電動モデルの発売は怒涛の勢いで続くことになる。DS 3 クロスバック Eテンスにはじまり、ヴォグゾールコルサ-eに至る各モデルはすでに世に出ており、われわれも試乗済みだ。

テスト車:プジョー e-2008 GTライン
テスト車:プジョー e-2008 GTライン    MAX EDLESTON

加えて、ヴォグゾール・モッカ-eと少なくとも1車種が出るとみられるシトロエンの電動モデル、さらにその間にもいくつかのモデルが投入される予定となっている。

それらゼロエミッションモデルの先遣部隊が勢揃いしたとき、今回のテスト対象であるプジョー e-2008はビジネスの成功の鍵を握るモデルとなりうるだろうか。

好調なブランドが成長途上のマーケットに投入したこのクルマは、人気のボディスタイルを持つ。日常使いでの扱いやすさや利便性では、電動化されたコンパクトハッチの追随を許さない。

同時に、グループPSAが擁するほかの電動モデルと同じく、エンジン車も含む2008のラインナップの一部でしかない。となれば、新型車としての独自性は薄く、サイズやレイアウト、使い勝手の点で目新しい情報はほぼない。

これは、エンジン車と基本設計を共有するEV全般に当てはまることだ。はたしてそのことが強みになるのか、それとも弱点となるのか、そこを確かめていきたい。

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