プジョー「大型SUVの時代は終わった」 電動化で姿を消す? EV航続距離に不利

公開 : 2023.05.11 19:45

プジョーのリンダ・ジャクソンCEOは9日、電動化が進む中で大型SUVは姿を消す可能性があると主張しました。EVの航続距離の観点から、空力的に不利なため「大型SUVを持つ時代は終わった」と述べています。

空力的には「悪夢」 電動化で消滅?

プジョーのリンダ・ジャクソンCEOは、空力設計が今後のEVに採用されるため、大きくて箱型のSUVは間もなく姿を消すだろうと語った。

フィナンシャル・タイムズ紙が9日に主催したイベント「Future of the Car」で、ジャクソンCEOは、メーカーと消費者が航続距離を優先するようになると、大型車は少なくなり、時代遅れになるとさえ言えると示唆した。

電動化が進む中で、空力的に不利な大型SUVは姿を消す可能性があるという。
電動化が進む中で、空力的に不利な大型SUVは姿を消す可能性があるという。

「大きなSUVを持つ時代は終わりました。空力にとっては悪夢だからです」と同氏は言う。

現在、プジョーのラインナップには3車種のSUVとクロスオーバーがあり、その中で完全なEVが選択できるのはe-2008だけだ。今年後半にはe-3008も発売予定だが、プジョー最大の市販モデルである5008は、まだEVバージョンの導入が確認されておらず、今回のCEOのコメントから、その可能性は低いと予想される。

プジョーは一方で、エアロダイナミクスに優れたデザインでありながら、SUVと同様の実用性を備えた408のようなモデルで消費者の関心を集めようとしている。

ジャクソンCEOは以前、408はCセグメントまたはDセグメントの顧客層を集める可能性があるとし、顧客が「より流動的なものになった」と述べた。

同氏のコメントは、兄弟ブランドであるシトロエンの元CEO、ヴァンサン・コベ氏が昨年AUTOCARに語った、SUVが「絶滅の危機に瀕している」という意見と共鳴している。

コベ氏は、デザイナーが滑らかなボディ形状を重視するようになり、「背の高いものや四角いものは、空力効率の観点から考慮されない可能性が高い」と述べていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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