【詳細データテスト】ザ・グッドイヤー・ブリンプ 快適至極な空の旅 ファミリーカーの街乗りより静か 飛行機より船に近い乗り心地

公開 : 2020.12.19 20:25  更新 : 2021.03.05 21:27

購入と維持 ★★★★★★★★★★

このクリスマス時期のスペシャルなテストでは、コスト面の話がしづらいことが多い。このツェッペリンの場合、購入費用は2000万ユーロ(約25億円)だが、手に入れただけでは飛ばすことができない。

おそらく、飛行船操縦のライセンスを持っているケースは滅多にないだろうから、パイロットとしてのトレーニングを受けて、それを手に入れる費用もかかる。

ゴンドラの上のスペースへ、簡単に押し込める10kgのバラストが入ったバッグをいくつか積むと、船体は穏やかに着地したままでいる。その姿は、まるで世界最大の吹き流しといった趣だ。
ゴンドラの上のスペースへ、簡単に押し込める10kgのバラストが入ったバッグをいくつか積むと、船体は穏やかに着地したままでいる。その姿は、まるで世界最大の吹き流しといった趣だ。    OLGUN KORDAL

また、組み立てや整備をするにも資格が必要になる。ちなみに、グッドイヤーはアメリカ国内で3機の飛行船を所有しているが、ライセンスを所持するスタッフの数はそれ以上になるはずだ。

係留や離着陸のために地上クルーも必要で、飛ばす際にはマストやさまざまな周辺機器を携えて同時に移動しなくてはならない。屋外に停泊させるなら、誰かが必ず機内で待機することも必要だ。発着地それぞれに少なくともひとりはクルーがいなくてはならないし、出発地点のひとりは万が一に備えて飛行船の後を追うことも求められる。

ヘリウムガスを満タンにするにはおよそ18万ポンド(約2520万円)かかり、しかも日々10立方メートル(約2.8万円相当)が抜けていく。点検は毎年行わなくてはならず、整備にはのべ100時間を要する。

個人所有できたとしても、これでちょっと買い物に行くというわけにもいかないし、それが可能だったとしても、どこへ行っても注目を集めるのは間違いない。まったく現実的な移動手段でないのは確かだ。それでも、これほどエキセントリックでワクワクする乗り物はなかなか見つけられないはずだ。

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