【チャイルドシート】なぜ黒/紺/グレーなど地味色ばかり? 背景にパパとママのバトル 安全性に違いは

公開 : 2020.12.27 07:05  更新 : 2022.03.25 18:50

チャイシーはパパ、ベビーカーはママの好み

「コンビでも、2007年ころ、マカロンカラーのチャイルドシートを出したことがあります」

「ミントブルーとか、ピスタチオグリーンとか……。ママにはカワイイ!と言って頂けるんですが、パパさんは抵抗があるみたいですね。『俺のクルマにこの色載せるの?』って感じで……。

ドイツブランドの「サイベックス」。1つの機種に驚くほど多いデザイン、カラーバリエーションがある。
ドイツブランドの「サイベックス」。1つの機種に驚くほど多いデザイン、カラーバリエーションがある。

「そうすると、パパとママのバトルが始まるんです。で、結局、チャイルドシートはパパの意見が通り、ベビーカーはママの意見が通る……そんな感じです(笑)」

なるほど。コンビのコメントに、「日本は地味色のチャイルドシートが主流」の理由がありそうだ。

また、前述のカーメイトでも以下のように述べている。

「コロナ禍以降、パパが1人でチャイルドシートを買いに来るケースが増えました。なるべく家族を外出させないように、密な環境に妊婦さんを近づけないように、という配慮だと思います」

「それで一層、パパの好みで選ばれる傾向が強まっていますね」

では明るい色使いのデザインが多い、海外ブランドのチャイルドシートはどうだろうか? 決定権は日本と同じパパにあるのだろうか?

欧州ナンバー1シェアを誇るマキシコシや、英国王室や多くの自動車メーカーが純正採用するブリタックス・レーマーの日本正規総合代理店である(株)GMPインターナショナルに聞いてみた。

国産品と異なる? チャイシー決定権とは

「マキシコシはこれまで明るいポップな色のチャイルドシートを採用してきましたが、車両のインテリアに色調を合わせているのか、色数も減り落ち着いた色が増えてきています」

「ただし、ベビーカーとドッキングするベビーシート(乳児用)については、まだカラーバリエーションは多く車内だけではなく外でも使うものとして、とらえられているようです」

Cloud Z i-Size(サイベックス)はなんと1機種で20種類のデザイン・カラーバリエーションがある。
Cloud Z i-Size(サイベックス)はなんと1機種で20種類のデザイン・カラーバリエーションがある。

「ブリタックス・レーマーは、元々保守的なカラーリングが多いものの『DUALFIX i-SIZE』のカラーのように、質感を重視したものをラインナップしています」

「国産と異なるのはパパ・ママの決定権とベビーカーについてです」と続ける。

「新生児から使用するチャイルドシートの決定権はママにあり、次のお子様でも使えるように性別を問わない保守的なカラーが人気です」

「ベビーカーについては、売場のほとんどを『黒/紺/灰色』系が占めておりチャイルドシート同様、保守的なカラーが人気ですね」

国産チャイルドシートでは全般的に色の決定権はパパにあるが、ベビーカーとドッキングできるタイプが人気のマキシコシやレーマーではママに決定権があるとのこと。

とても興味深い結論がえられた。

記事に関わった人々

  • 加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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