【純EVハッチバック比較】日産リーフxフォルクスワーゲンID.3 最新版は最良か 前編

公開 : 2021.02.13 09:45  更新 : 2021.05.18 16:19

市民のクルマ、フォルクスワーゲンが発売した純EVのID.3は、日産リーフの人気を奪い取れるのでしょうか。英国編集部が純EVの2台を比較しました。

最新版の純EVと、最も売れた純EV

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
photoOlgun Kordal(オルガン・コーダル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
新参者が、古株と出会う。少し前まで、電気自動車は孤独な存在だった。だが、いよいよ時代は変わってきた。

2020年に欧州では発売が始まった、フォルクスワーゲンID.3。純EVハッチバックを検討する場合、同等の価格とバッテリー容量を備えた選択肢を何台か並べられるようになっている。今回はそこから、1台を選んでみた。

日産リーフとフォルクスワーゲンID.3
日産リーフとフォルクスワーゲンID.3

フォルクスワーゲンはこの新しい電気自動車を、自社にとって3番目の時代の幕開けだと表現している。ビートルとゴルフに次ぐ、主力モデルとして。

フォルクスワーゲン・ゴルフは、フロントに横置きされたガソリンエンジンで、前輪を駆動。フロントがマクファーソンストラット式、リアがトーションビーム式のサスペンションを備えて誕生した。

今となっては、取るに足らない構成だ。だが同じ成り立ちで、シトロエンCXは1975年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。同じように、ID.3も純EVとして一般的な構成で仕上がっている。成功を掴むのに、必ずしも革新が必要というわけではない。

ID.3がフォルクスワーゲンの歴史を受け継ぎ、代表するモデルといえるかどうかは、今後20年ほどの経過観察が必要だろう。

一方、初代日産リーフが発売されたのは、2010年。英国ではサンダーランド工場で生産されており、現行型は2代目。世界で最も多く売れた純EVへと成長した。革新が、成功を掴むこともある。

スペックで近似する2台のハッチバック

ID.3が主なベンチマークとしたのも、日産リーフだった。今回の比較相手としても妥当だと思う。英国ではe+ 3.ゼロと呼ばれる仕様となる。

2台のスペックを比べてみると、これまでのファミリー・ハッチバックを比較するように、内容が近い。最高出力は200psちょっと。前後にシートがあり、荷室の付いた定員5名のハッチバックで、装備も似ている。

日産リーフ e+ 3.ゼロ(英国仕様)
日産リーフ e+ 3.ゼロ(英国仕様)

英国での価格は、フォルクスワーゲンID.3が3万5215ポンド(493万円)なのに対し、日産リーフは3万6970ポンド(517万円)。EVという枠を超えて、クルマとして良い比較内容でもある。

少なくとも、ID.3の見た目は新しい。フェルナンド・ポルシェがビートルをデザインし、ジョルジェット・ジウジアーロが初代ゴルフをデザインしたように、クラウス・チツィオラがID.3を描き出した。

目を引くカタチだし、少し見慣れた感じもある。一方で、ゴルフを真似た別のモデルのようにも見える。空力的には、かなり優れているらしい。

ボディの内側には、柔軟性の高いEVプラットフォームが隠れている。こちらも、機能上の理由から見慣れた内容になりつつある。

サイズとしてはゴルフ程度のハッチバックだが、ホイールベースは長め。バッテリーは前後のタイヤの間、フロアの低い位置に搭載されている。

今回試乗したID.3は1stエディションということで、リア側に1基のモーターを搭載し、後輪を駆動。プラットフォームとしては、別にフロントへモーターを積んだり、バッテリーの搭載量を増やすことも可能だ。

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