【ガソリン車に並ぶ選択肢】フォルクスワーゲンID.3へ試乗 58kWhで420km 前編

公開 : 2020.06.17 10:20  更新 : 2021.02.02 18:46

遂に巨人、フォルクスワーゲンから発売となった、ファミリー向けの純EVハッチバック。運転しやすく乗り心地も良好。充電設備次第では、主流の選択肢となる総合力を備えています。英国編集部がドイツの一般道で評価しました。

全世界で年間100万台の販売を目指す

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ガソリン車などに並ぶ、主力の選択肢としてフォルクスワーゲンが開発したID.3。純EVのサブブランド、IDを立ち上げ、初代ビートルやゴルフに並ぶ偉業の達成を狙っている。

フォルクスワーゲンの新CEO、ラルフ・ブランドシュテッターによれば、将来的には全世界で年間100万台の販売を目指している。この実現には、多くのガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車を超える魅力で、ユーザーを振り向かせなければならない。

フォルクスワーゲンID.3(欧州仕様)
フォルクスワーゲンID.3(欧州仕様)

フォルクスワーゲンは、純EVが主力になる時代が来ることを見据え、ID.モデル拡充のために80億ポンド(1兆560億円)に達する投資を進めている。変革は始まっている。目標は、2025年までに300万台の純EVを生み出すことだ。

現在、世界の純EVの販売台数でトップを走るのは、日産リーフ。純EVの民主化を進めるには、その順位を入れ替える必要もある。そんなフォルクスワーゲンID.3をAUTOCARが試乗するのは、今回で2回目だ。

といっても、前回はカモフラージュされたプロトタイプ。量産できるほどの洗練度は得ていなかった。

今回は一般道での試乗に加えて、ヴォルフスブルクにあるフォルクスワーゲンの開発センターでの走行も許された。バンク角のきつい高速コーナーのほか、スキルが求められるハンドリングコース、荒れた路面などが組み合わされた試験場は、どんなクルマにとってもタフな環境だといえる。

8代目ゴルフに勝る空力特性

ソフトウエアの問題によって、当初の予定よりID.3の発売は遅れている。そこでフォルクスワーゲンは、アップル・カープレイやアンドロイド・オートなど、コネクト機能を省いてのリリースを決定した。

ごく初期のオーナーは、拡張現実ヘッドアップ・ディスプレイの機能の一部も利用できない。エンジニアの改変作業が完了次第、ソフトウエアはアップデートされる。

フォルクスワーゲンID.3(欧州仕様)
フォルクスワーゲンID.3(欧州仕様)

英国でのフォルクスワーゲンID.3の発売は、2020年9月下旬へと迫っている。先代までの純EV版、e-ゴルフも置き換えることになる。

新しい8代目ゴルフとボディサイズを比較すると、全長は23mm短く、全幅は20mm広く、全高は96mm高い。ホイールベースは129mmも長く、車内空間もそれだけ広い。

ホイールサイズはベースグレードで18インチ。最大20インチまで用意される。

全高は高いものの、空力特性は素晴らしい。最適化されたホイールデザインに、余計なエアインテークなどのない滑らかなフロント周り。ボンネット上端の黒いパネルは、フロントガラスの気流を効率的に整える。

ボディ下面は全面がカバーで覆われ、リアウインドウには大きなスポイラーが取り付けられた。これらが組み合わさり、空気抵抗を示すCd値は0.267と、全高の低いゴルフより良い。

ID.3は、MEBプラットフォームを基礎とする。フォルクスワーゲンをはじめとする複数ブランドが提供する、純EVへ利用されるものだ。アウディセアトに加え、ジョイントベンチャーとしてフォード製の純EVも採用する。

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