【残念?当然?】開発が中止されたクルマ 53選 前編 愛されなかった乗り物たち

公開 : 2021.07.22 10:05

日産ミッド4 II(1987年)

初代ミッド4の発表から2年後、日産はその続編を公開した。初代ミッド4よりもさらに流麗になった外観(ただし、リアから見るよりもフロントから見るほうがいい)のミッド4 IIは、ミドマウントされた3.0L V6にツインターボを搭載し、330psを発揮した。

日産は多くのテストを行ったが、最終的にミッド4を生産するにはコストがかかりすぎると判断した。

日産ミッド4 II(1987年)
日産ミッド4 II(1987年)

BMW 767iL(1987年)

1980年代後半、7シリーズの上に位置するモデルの導入機会を伺っていたBMWは、数々の豪華なアメニティと強力な16気筒エンジンを搭載した堂々たるフラッグシップを構想していた。そして1987年7月、このクルマの開発が開始された。

エンジニアのアドルフ・フィッシャーの指揮のもと、5.0L V12に4気筒を追加して6.7L V16とし、最もベーシックな仕様でも414psを発揮した。12気筒よりも約30cm長いため、750iLのラジエーターを取り外し、トランクルームに2つの小型ラジエーターを設置する必要があった。

BMW 767iLのV16エンジン
BMW 767iLのV16エンジン

さらに、そこへ外気を導入すべく、ファイバーグラス製のスクープを備えたエア・ダクトをクォーターパネルに追加した。

BMWは767iLの名を冠したこのクルマをテストしたが、取締役会はこのプロジェクトを進めないことを決定した。その理由は、V12を超える必要性がないと判断したからである。

ダイムラーもほぼ同時期に、同じ理由でメルセデス・ベンツのW18エンジンを葬り去っている。

BMW M5 E34 コンバーチブル(1989年)

BMWは歴代のM3にドロップトップモデルを設定してきたが、M5で同様のモデルを生産したことはない。しかし、1989年にはソフトトップのM5が製作され、その年のジュネーブ・モーターショーで公開される予定だった。

ところが、BMWはM3コンバーチブルの売り上げを失うリスクを避けたかったため、直前になって公開予定を撤回したのだ。

BMW M5 E34 コンバーチブル
BMW M5 E34 コンバーチブル

ポルシェ989(1989年)

ポルシェは、スポーティで家族向けのセダンを投入することで、1980年代後半の経営のマンネリ化を解消できると考えていた。

989は当初、4ドアの911を想定していたが、空冷フラット6エンジンをやめて、アウディの8気筒に近い4.2L V8エンジンを搭載した。このエンジンは、最もベーシックな仕様で355psを発揮した。

ポルシェ989
ポルシェ989

しかし、ポルシェの経営陣は、989の設計と製造には莫大な費用がかかることを認識し、1991年にこのプロジェクトを中止した。996シリーズの911は989からデザイン要素を拝借したが、ポルシェの4人乗りセダンのアイデアはその後、10年以上も途絶えることになる。

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