【欧州で人気の小型車】新型キア・ニロ デザイン大胆進化 今年後半デビュー予定

公開 : 2021.08.28 06:45

第2世代となる新型キア・ニロは2022年に欧州で発売予定。ハイブリッドやEVを展開し、デザインも大胆に。

ブランドイメージ刷新なるか

執筆:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
翻訳:Takuya Hayashi(林 汰久也)

キアは、欧州で販売されているコンパクト・クロスオーバーのニロをフルモデルチェンジし、2022年に発売する。2019年に発表された奇抜なコンセプトカー「HabaNiro」のデザインを踏襲している。

公式発表は今年後半を予定しており、ハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド、EVの各パワートレインを用意するという。よりSUVらしさを強調したシルエットと、一新されたインテリアが特徴となるだろう。

次期キア・ニロのレンダリング
次期キア・ニロのレンダリング    AUTOCAR

新型ニロは、キアの新しいブランドイメージを形成するためにデザインされている。EV6やスポーテージなど、最新モデルはいずれも同じ目的を共有している。

EV6では、800Vの容量と外部給電機能を備えたプラットフォーム「E-GMP」を採用しているが、ニロのEVモデルでは、現行モデルの改良版が採用される。E-GMPは、EV専用モデルのために開発されたもので、ハイブリッド車も展開するニロには不向きだろう。

つまり、新型ニロのEVモデルは、構造的にはWLTPサイクルで最大454kmの航続距離を実現する現行モデルとほぼ同じになるということだ。新型では効率性を高めることで、航続距離は480kmを超えると思われる。

コンセプトのデザイン踏襲

デザインとしては、クラムシェル型ボンネット、Cピラー、トランクリッドなどにHabaNiroコンセプトの影響が見られる。

最近プロトタイプも目撃されており、兄弟ブランドであるヒュンダイの小型クロスオーバー車バイヨンに似たブーメラン型の縦型テールライトも採用されているようだ。

目撃された次期ニロのプロトタイプ
目撃された次期ニロのプロトタイプ    AUTOCAR

また、センターコンソールのボタンやスイッチを変更してすっきりとした印象を強めたほか、クライメート・コントロールをタッチ式のスライドパネルに置き換えた。

EV6と同様、中央のインフォテインメント・スクリーンとデジタルメーターは独立したパネルで構成されており、2本スポークのミニマルなステアリングホイールも引き継がれているようだ。

欧州では順調にシェア拡大中

キアは先月、英国市場参入30周年を迎え、2021年上半期に初めて5%の市場シェアを獲得したと発表した。2007年の約1.5%から成長し、マネージング・ディレクターのポール・フィルポットは、これを「画期的な数字」の達成と表現している。

上半期の販売台数が4万5300台となったキアは、英国で8番目に大きなブランドとなり、電動モデルの販売比率(マイルド・ハイブリッドを除き31%)は、他の自動車メーカーの平均値を大幅に上回っている。また、完全EVの販売台数は6500台で、この分野ではテスラに次いで2位となっている。

キア「Habaniro」コンセプト
キア「Habaniro」コンセプト

フィルポットは次のように述べている。

「第3四半期には素晴らしい受注を獲得し、2021年の当初計画である年間9万台の達成に向けて順調に進んでいます。この販売目標はもともと2020年に定めたものなので、新型コロナ流行前の計画にほぼ戻ったことになります」

「下半期にどれだけ供給できるかにかかっています。韓国やフランクフルトの欧州本部と緊密に連携して、英国市場への供給を最大限にするよう努めており、状況は順調です。もっと供給を増やしたいのですが、半導体の不足がすべてのブランドに影響を及ぼしています」

フィルポットによると、英国ではソレントを除くすべてのキア車が2~3か月の納車待ちとなっており、「予測できない」ほどの需要を記録しているとのことだ。ソレントの納期は2022年の第1四半期にまで伸びており、「お客様は待ってくれている」とフィルポットは話す。

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