自動車メーカーじゃない会社が作った自動車 34選 後編 カラシニコフからソニーまで

公開 : 2022.02.26 06:06

ソニーがEVを発表して話題を集めましたが、自動車メーカーではない会社が作った自動車は数多く存在します。

カラシニコフOvum

カラシニコフが自動車業界に送り出したのは、先述のCV-1(前編を参照)だけではない。同社は以前からロシア軍向けの車両を製造している。2018年のロシア・ワールドカップでは、警察向けに「Ovum」と呼ばれる電動三輪車を製作した。また、モトクロススタイルの電動バイクも30台作っている。

カラシニコフOvum
カラシニコフOvum

スウォッチ

スウォッチは、非常に個性的なプラスチック製の腕時計を発売し、レジャーウェアの時計市場を再定義した。そして、この理念を自動車市場でも再現しようと考えたのである。80年代初頭、スウォッチは小型でスタイリッシュ、カスタマイズ可能な大衆向け小型車の構想を練り始めた。愛称は「スウォッチモビル」。

フォルクスワーゲンとの提携が失敗した後はメルセデスと組み、「スマート」なるブランドを作り上げた。スマートは現在も2人乗りの小型車を作り続けている。

スウォッチ
スウォッチ

ヤマハOX99-11

1992年、F1エンジンを供給していたヤマハは、自社でスーパーカーを作ることを決意。そして誕生したのが、OX99-11である。3.5L V12エンジンを搭載したOX99は、英国の子会社イプシロンとモータースポーツ会社IADが製作した。カーボンファイバー製ボディ、戦闘機風のコックピット、タンデムシートが特徴である。

F1エンジンをデチューンし、0-100km/h加速3.2秒、最高速度350km/hという、当時としては驚異的なパフォーマンスを発揮した。しかし、天文学的な価格と90年代初頭の不況により、このプロジェクトは早々に終了することとなった。わずか3台が試作されるにとどまっている。

ヤマハOX99-11
ヤマハOX99-11

ヤマハ・スポーツライド・コンセプト

2015年の東京モーターショーで、バイク・楽器メーカーのヤマハは、新型スポーツカーのスポーツライド・コンセプトを発表した。マクラーレンF1をデザインしたゴードン・マレーを迎え入れ、車重を抑えるカーボンファイバー製のシャシーを開発。ロータス・エリーゼのようなライトウェイト・スポーツカーとして登場した。

当時、ヤマハはパワートレインの詳細を好評しなかったが、100ps未満の1.0L 3気筒エンジンを搭載していると噂されている。

ヤマハ・スポーツライド・コンセプト
ヤマハ・スポーツライド・コンセプト

ボッシュIoTシャトル

ボッシュは自動車の世界では知らない人はいないが、完成車よりも部品を作っていることで有名だ。

しかし、2019年のCESショーでは、同社のIoT技術を使った運転手のいないシャトルバスのコンセプトを披露している。IoTシャトルが製品化される可能性は低い。その代わり、ボッシュはこの車両をテストベッドとして、自動車メーカーや配車サービス企業に「ネットワーク型モビリティサービス」の可能性をアピールしている。

ボッシュIoTシャトル
ボッシュIoTシャトル

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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