VW「これが新しいデザインです」 中国の若者向けEV初公開 ”まばたき” ヘッドライト搭載

公開 : 2024.05.01 06:25

フォルクスワーゲンは新型EVコンセプト「ID.Code」を中国で発表した。中国の若年層をターゲットとし、従来と異なる新しいデザインを採用している。

若年層向けサブブランドを中国で新設

ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンは、中国・北京で開催中の北京モーターショー2024において新型EVコンセプト「ID.Code」を発表した。

中国市場向けに開発された全長4.8mの大型電動SUVで、今後投入予定の新しいEVシリーズ「ID.UX」のデザインを予告するものだという。

北京モーターショーで公開されたフォルクスワーゲンID.Codeコンセプト
北京モーターショーで公開されたフォルクスワーゲンID.Codeコンセプト    AUTOCAR

ID.UXは中国の若年層をターゲットとするEVサブブランドで、そのフラッグシップモデルとしてID.Codeが置かれる。現行世代のEVとは外観もパッケージングも大きく異なり、大胆なヘッドライトやロゴをあしらった特徴的なフロントエンドを採用している。

フォルクスワーゲンのデザイン責任者であるアンドレアス・ミント氏は、ID.Codeについて「徹底的にコンテンポラリーで、既存のどのモデルよりも表現力に富んでいる」と語った。

同氏によると、ヘッドライトの “まばたき” を模したウェルカム機能など、光のアニメーションを通じて人間らしい質感を与えるよう努力したという。

「ID.Codeでは、見た瞬間に視覚的な愛着が湧くように、人間のような温かみのあるタッチを与えたかったのです。ロボット的で冷たいものではありません」

光のアニメーションは定額制の無線ソフトウェア・アップデートによって3か月ごとに更新され、フレッシュな印象を保つ。

先進的なデジタル機能も搭載

全体として、グリルのないすっきりとしたフロントエンドからボンネット、フロントガラス、ルーフラインへと連続するようなシルエットとなっている。

大きく張り出したフェンダー、ロングホイールベース、ショートオーバーハングも特徴的で、筋肉質なスタンスを持つ。走行安定性の向上にもつながっているだろう。

北京モーターショーで公開されたフォルクスワーゲンID.Codeコンセプト
北京モーターショーで公開されたフォルクスワーゲンID.Codeコンセプト    AUTOCAR

キーを持って近づくと運転席のサイドウィンドウにアバターが現れ、交通状況や天候に関する情報を提供する「スマート・ウィンドウ・コンセプト」も採用されている。これはデジタル機能で中国の競合他社に対抗するものだ。

クーペのような曲線的なルーフを持ち、リアライトはヘッドライトのように水平で、イルミネーション付きのロゴがあしらわれている。

AIがサポートするインフォテインメント・システムやレベル4の自動運転など、先進的な機能群も備わる。

ID.Codeの新しいデザイン言語は、主に中国で販売されるモデルのために考案されたものだが、フォルクスワーゲンの関係者によればグローバルモデルにも影響を与える可能性があるという。

サブブランドのID.UXは、2027年から2030年までに合計5車種を展開する計画だ。ID.Codeの具体的な導入時期は確認されていない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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