アキュラが日本へ? 米で公開、アキュラ電動SUVコンセプトから広がる可能性

公開 : 2022.08.22 05:45

ホンダとGMの協業で

そうした中で、ホンダやアキュラを含めた大規模な戦略変更を余儀なくされた。

具体的には、日本時間2020年4月3日、ホンダは米ゼネラルモーターズ(GM)と「GMのアルティウムバッテリー採用のホンダ向け次世代EVの共同開発で合意」したと発表した。

アキュラ・プレシジョンEVコンセプト
アキュラ・プレシジョンEVコンセプト    北米ホンダ

その中で、まずはホンダ向けの新型EVを共同開発し、エクステリアとインテリアはホンダが自社専用でデザインし、車体や電動化に関わる機器をGMが開発するとした。

それから2年4か月後、今回の「アキュラ・プレシジョンEVコンセプト」が公開されたというわけだ。

アキュラブランドとして初となるEV量産モデルは「ZDX」を名乗り、2024年中に北米での発売を始める。

では、「ZDX」は日本市場に何らかの影響があるのか?

だから、ホンダは今回のリリースを日本向けにも出したのだろうか?

本筋としては、ホンダが2022年4月12日に公開した「四輪電動ビジネスの取り組みについて」という中長期経営計画の中で、北米EV事業を紹介したと見るべきだろう。

その中で、北米で2024年に、ホンダブランドSUV「プロローグ」とアキュラブランドで市場導入としており、これが「ZDX」となる。

一方、日本市場では2024年前半に、商用の軽EVを100万円台で投入し、その後に軽EVやSUVタイプのEVを適時投入予定としている。

アキュラブランド日本導入は?

日本向けのEVは、ホンダが独自開発する2026年投入予定「ホンダe:アーキテクチャー」を採用するとしている。

これがどのように、GMの技術と協業するのかについては、具体的な内容はまだ公開されていない。

アキュラ・プレシジョンEVコンセプト
アキュラ・プレシジョンEVコンセプト    北米ホンダ

日本市場EVについては、軽EVに関して、元々は日産がNECとの協業事業として立ち上げて、のちに中国資本となったエンビジョンAESCから電池を購入することだけが明らかになっている。

こうして、EV化によってホンダのグローバル戦略が大きく変化していく中で、ブランド戦略の新展開の可能性も考えられる。

アキュラ日本導入については、ホンダ本社として一旦は決意したが、それを撤回したといった流れがある。

その後も度々、ホンダ本社や日本の販売店各社との間では、日本におけるアキュラのあり方について意見交換が続いてきた。

仮に、日本で今後アキュラブランドを展開する場合、アメリカからの完成車輸入という方法もあり得るはずだ。

日本国内では「ホンダe:アーキテクチャー」専用工場に徹することになるはずだから。

これまで日本のユーザーにとって「海の向こうの話」としてきたアキュラ。

EV化という大波の中で、アキュラ日本上陸の道筋が見えてくるのかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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