特別の中の特別 ベントレー、新型マリナー・バトゥール発表 18台限定のW12モデル

公開 : 2022.08.23 06:05  更新 : 2022.09.03 14:55

デザイナーが語る新デザインの肝

ミントによると、ベントレーの将来のデザインにふさわしいのは、多くの高級車メーカーが掲げる「強く、筋肉質」な特性ではなく、次の3つの要素だという。

1つ目は、「休んでいる獣の姿勢」と呼ばれるものだ。バトゥールにはくさび状のデザインがなく、後ろ足の上に座り、いつでも動き出せるように見える。

モントレー・カー・ウィークで披露されたベントレー・マリナー・バトゥール
モントレー・カー・ウィークで披露されたベントレー・マリナー・バトゥール    AUTOCAR

2つ目は「アップライト・エレガンス」。フロントグリルを現代風にアレンジし、直立させることで、クルマに頼もしい表情と力強いスタンスを与えることができるという。

3つ目の要素は「エンドレス・ボンネット」だ。ミントはこう語っている。「長いボンネットは、高級車において権力と名声の証となります。バトゥールのクリーンなフォルムの中で、唯一のアクセントとなる要素です。また、視覚的な質量をリアに移動させ、リアアクスルに乗っているような印象を強め、ハンチに力強さを与えています」

バトゥールは、究極のパーソナライゼーションと、贅沢な長距離高速グランドツーリングを実現するために設計された2シーターである。エクステリアと同様、インテリアもあらゆる面を顧客の好みに合わせてカラーリング、カバーリングすることが可能だ。シートトリムはスコットランド産のレザーで、イタリア産に比べて遠距離輸送の必要がないため、低炭素と言われている。また、耐久性に優れたスエード調の素材「ダイナミカ」も用意されている。

内装材には天然繊維複合材など幅広い種類の複合材が用意され、ダッシュボードのパネルにはW12エンジンの音の周波数が描かれる。フロアマットはリサイクル糸を使用したもので、ベントレー初の試みだ。

バトゥールの製造は、バカラルの作業が終了次第、開始される。1台1台のパーソナライズのレベルが高いため、製造には「数か月」かかるだろうと述べている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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