荒削りさがイイ? ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エレクトリック キリリとスポーティ

公開 : 2025.06.16 19:05

新世代ミニに、JCW登場 スポーティでまとまりが良いスタイリング ホイールスピンを誘える活発さ ハードな乗り心地 ヤンチャで少し荒削りな動的特性が好ましい個性 UK編集部が試乗

スポーティでまとまりが良いスタイリング

新世代へ生まれ変わったミニに、ジョン・クーパー・ワークス(JCW)が登場した。ただし、車重は1725kg。BMW M3や、一旦幕を閉じる日産GT-Rと、同じくらい重い。

とはいえ、動力性能は充分。1基の駆動用モーターが発揮する最高出力は258psで、最大トルクは35.6kg-mある。前輪駆動だが、0-100km/h加速は5.9秒で処理するとうたわれる。エンジン版の最新ミニにもJCWはあるが、320kg軽くても0.2秒遅い。

ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エレクトリック(英国仕様)
ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エレクトリック(英国仕様)

スタイリングは、キリリとスポーティでまとまりが良い。エンジン版以上にハンサムに見えるのは、あちらと異なり、新しいプラットフォームを基礎骨格とする完全な新設計だからだろう。幅広感が強調された前後のバンパーや、リアウイングが目を引く。

見た目重視で良ければ、通常のミニ・クーパーをJCWのボディキットで飾ることもできる。だが、ネガティブキャンバーが強められた専用サスペンションが生む、精悍な雰囲気までは得られないはず。

内装はブラックとレッドでJCWを主張

車内空間は、例によって巨大な円形タッチモニターが中心的な存在。強い太陽光が照らしても、明るいOLEDだから見にくくなることはない。

アップル・カープレイを起動させると、モニター上に小さなエリアが表示され、その中で動作する。運転支援システムのオン/オフは、簡単にできて好ましい。

ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エレクトリック(英国仕様)
ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エレクトリック(英国仕様)

内装は、ブラックとレッドでJCWなことを主張する。ダッシュボードやステアリングホイールのスポーク部分も、同じカラーでコーディネート。少しやり過ぎに思える、という人はいるかもしれないが、デザイン力に長けたブランドだと実感する。

中国から個性的なモデルが次々に上陸する中で、ミニは独自の立ち位置を譲ることはない。デザインチームは、このまま遊び心を忘れず、センス良くまとめ続けて欲しい。

ホイールスピンを誘える活発さ 100km/h超も余裕

発進させると、バッテリーEVらしくアクセルレスポンスはリニア。一気に右足へ力を込めると、意図的にホイールスピンも誘える、活発さがうれしい。迅速で機敏、スムーズな速度上昇がドライバーを惹き込む。

電気モーターはトルクが太い。それでいて、力強い加速は高めの速度域まで続く。100km/hを超えても息苦しさはなく、高速道路での追い越しも余裕でこなす。パドルを弾いてブースト機能を使うと、10秒間だけ27ps増強できる。

ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エレクトリック(英国仕様)
ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エレクトリック(英国仕様)

最高出力の258psを常時発揮させるには、ゴーカート・モードを選ぶ必要がある。いたずらっぽい人工音も、筆者は好ましく思えた。アクセルペダルを級に緩めると、エンジン車のアフターファイヤーのように、ワッワッワッと唸ってくれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブン・ドビー

    Stephen Dobie

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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