ルノー、デ・メオCEOが7月15日付で辞任 業績回復に尽力 「役目を果たした」

公開 : 2025.06.16 17:05

仏ルノー・グループのルカ・デ・メオCEOが突然辞任を発表しました。新戦略の舵を取り、新モデルの投入やアルピーヌの再起を推し進めてきました。一部報道によると、複数の高級ブランドを擁するケリングに転向するとのこと。

突然の発表 ケリングへ転身?

フランスの自動車大手ルノー・グループの最高経営責任者(CEO)であるルカ・デ・メオ氏が辞任を発表した。高級ブランドのグッチやイヴ・サンローランなどを所有する企業の経営を引き継ぐとの報道もある。

イタリア出身のデ・メオ氏(58歳)は、5年前にスペインのセアトクプラからルノーに移籍し、『Renaulution』と呼ばれる事業計画をいち早く立ち上げ、新型のEVおよびSUVの投入、アルピーヌの高性能車ブランドへの転換などを推進。同社の業績回復に貢献した。

ルノー・グループのルカ・デ・メオ氏が7月15日付でCEOを辞任する。
ルノー・グループのルカ・デ・メオ氏が7月15日付でCEOを辞任する。

ルノー・グループは、デ・メオ氏が「自動車業界以外での新たな挑戦」を決めたと発表し、取締役会も7月15日付の退任に合意したと付け加えた。同氏はそれまでは現職を継続する。「策定された後継者計画に基づき」、新しいグループCEOの人選がすでに始まっているという。

フランスの新聞『ル・フィガロ』紙と英国の『フィナンシャル・タイムズ』紙は、デ・メオ氏がフランスの高級ブランド専門持株会社ケリングの新たなCEOに就任すると報じている。

ルノーが発表した声明の中で、デ・メオ氏は「人生には、自分の役目が果たされたと気づく時が来る」と述べ、「結果がすべてを物語っています。これは当社の歴史上最高の成果です」とした。

「当社は強力なチームと機敏な組織を擁しています。また、次世代製品のための戦略的計画も準備できています。そのため、今がバトンを渡す時だと判断しました」

デ・メオ氏はまた、「変革を遂げ」、「将来に向けて準備の整った会社」を離れる時期がきたのだと感じていると付け加えた。

ルノー・グループの会長、ジャン・ドミニク・セナール氏は、デ・メオ氏を「卓越したリーダー」と評し、「全社員一同、長年にわたる彼の功績と、共に乗り越えてきた数々の困難に感謝しています」と述べた。

欧州の自動車産業を支えたデ・メオ氏

デ・メオ氏の退社は大きな驚きだ。ステランティスのCEOに就くとの噂が立った昨年末には、「まだやるべき仕事がある」とルノーを去る意向を否定していた。

ルノーのCEOであるだけでなく、デ・メオ氏は欧州自動車工業会(ACEA)の会長も務めており、最近では安価な中国車に対抗する小型の都市型車の開発を提唱していた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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