【詳細データテスト】BMW M4 速さと快適性を両立 軽量でも装備充実 シートは標準仕様がベスト

公開 : 2022.11.26 20:25  更新 : 2022.12.02 03:06

Mの50周年に登場したBMWの大名跡は、格の違いを見せつけました。それは単なる速さだけではなく、快適性も含めた完成度全般が高められています。オプション選びさえ間違えなければ、この上ない満足度が得られる一台です。

はじめに

今から15か月前、BMWのMディビジョンは、自社におけるパフォーマンスカーの象徴的名跡のひとつを、速くアグレッシブなルックスの特別仕様車に与えた。635psのM5 CSだ。ロードテストでは昨年7月に取り上げ、2021年に満点を獲得した唯一のクルマとなった。

そして今回、2022年も終わりが近づくなか、デジャビュを感じたのが、ミュンヘンがM4をさらなる高みに引き上げた今回のテスト車だ。そのスタイルは、もちろんまったく同じではないが、同様のやり方で仕立てられている。

テスト車:BMW M4 CSL
テスト車:BMW M4 CSL    LUC LACEY

そのM4 CSLはしかし、重要度がまったく違うクルマだ。なにしろ、BMW Mの50周年を記念したモデルなのだから。BMWの長い歴史においても、CSLの名を持つクルマは3台のみで、ほぼ20年ぶりの登場だ。

それだけに、今回のM4 CSLに対する期待は非常に大きくなる。ましてや、ひとつ前のE46型M3 CSLは、2004年に発売されたにもかかわらず、いまだにBMW史上最高のハンドリングマシンと評価され続けているのだから。

CSLは、単にロールケージを追加してサーキット仕様に仕立てただけのクルマではない。そのテストはかなり魅力的な体験となるに違いない。たとえば、BMWは現在におけるCSLがどのようなものだと定義づけたのか、そしてそれは、少し前に送り出されたM4 GTSとどのように違うのか、興味深いところだ。

これは単に、2022年時点における、最速にして最軽量、さらにパワーもグリップも最強のM4というだけなのか。それとも、BMWはミッドサイズのMモデルにおける究極形を完成させるべく、これまでにないクオリティを目指しているのだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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