【主流になり得る実力者】BMW i4 M50 xドライブ プロトタイプへ初試乗 最大543ps 後編

公開 : 2021.06.08 19:05

BMWとして初となる、純EVサルーンのi4。ポルシェ・タイカンに並ぶ能力を備えたMパフォーマンス仕様の試作車を、英国編集部が評価しました。

タイカンSを凌駕する0-100km/h加速

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
BMW i4 M50 xドライブの瞬発力は、タイカン・ターボには及ばないにしろ、タイカン4Sに並ぶくらい。BMWによれば、ローンチコントロールを用いた0-100km/h加速時間は、3.9秒としている。タイカン4Sより0.1秒速い。

トランスミッションはシングルスピードで、最高速度は225km/h。タイカンには2段ATが載っており、249km/hまで伸ばすことを可能としている。

BMW i4 M50 xドライブ・プロトタイプ
BMW i4 M50 xドライブ・プロトタイプ

アクセルペダルを一気に踏み込んだ時の突き出し感は、本当に激しい。その後も、さも当然のように速度を増していく。それでいて、車内は平穏だからスピードが掴みにくい。

高速域でも、フロントガラスを流れる気流の響きと、かすかなタイヤノイズくらいしか聞こえてこない。オプションで用意されるサウンドジェネレーターをオンにすれば、スピード感は増すかもしれない。でも、今回のプロトタイプには装備されていなかった。

i4 M50 xドライブのパフォーマンスで重要な役割を果たしているのが、クイックに仕事をこなす四輪駆動システム。シャシーの制御システムと連携しており、運転状況に応じて後輪駆動から四輪駆動まで、前後のタイヤへ掛かる駆動力を変化させる。

試乗車が履いていたタイヤは、フロントが245/40の19インチ、リアが255/40の19インチという組み合わせ。トラクションの効きも印象的に高い。発進加速でも、コーナー出口で横Gが掛かった状態からの加速でも、不足を感じる場面はなかった。

ワンペダル・ドライブも可能な回生モード

純EVとして、i4 M50 xドライブのドライビングで得られる充足感は、豊かなパワーを放出するだけでは不十分。条件に応じて最大限に可動する、高度なエネルギー回生システムを活用してこそ活きてくる。

回生システムには2つのモードがあり、Dモードはアクセルオフで惰性走行が優先される状態。ナビゲーションの地形データをもとに、回生ブレーキの強さを自動的に調整してもくれる。

BMW i4 M50 xドライブ・プロトタイプ
BMW i4 M50 xドライブ・プロトタイプ

Bモードを選ぶと、最大264psぶんのパワーを回収する制動力優先の状態になる。さらにiドライブのメニューから、効きの強さを強中弱の3段階から選ぶことも可能だ。

最も強力な設定にすれば、アクセルオフでブレーキング時のような減速を得られる。市街地なら、ワンペダル・ドライブも許してくれるだろう。

i4 M50 xドライブのトレッドは純EVの駆動系に対応するため、フロントで26mm、リアで12mm、内燃エンジンを積む4シリーズより広い。サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式で、リアがマルチリンク式を継承している。

リア側には、エアスプリングが標準装備される。ボディの前後には、剛性を高めるブレース類も追加してあるという。

バッテリーの重量増に対応するため、車高は20mm持ち上げられた。一方で駆動系統の賢明なレイアウトのおかげで、4シリーズより重心高は最大で37mmも下げられている。

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