なぜ? 「自動車ディーラー街」ができるワケ 「ライバルがご近所」メリットは?

公開 : 2023.01.03 05:45

どこでも出店するワケではなく……

ディーラーが集中する理由は前述した要素が大きいが、いくらアクセスがよく、ライバルディーラーもひしめく目立つ位置となるロードサイドであっても、どこでも出店するというワケではないようだ。

例えば交通量の多いバイパス沿いであっても、そのバイパスの交通の流れが極端に速い場所では、ユーザーが心理的に入店しづらくなるというデータもあるといわれているほか、信号のある交差点なども、交差点の手前に出店するのか交差点の先に出店するのかで集客が大きく異なってくるというのである。

トヨタモビリティ神奈川新百合ヶ丘店。付近にはメルセデス・ベンツ、BMW、日産、スバル、ホンダ、ジープのディーラーが立ち並ぶ。
トヨタモビリティ神奈川新百合ヶ丘店。付近にはメルセデス・ベンツBMW日産スバルホンダジープのディーラーが立ち並ぶ。    トヨタモビリティ神奈川

また軽自動車や小型車がラインナップの中心となる、スズキダイハツのディーラーはトヨタや日産といったフルラインナップを誇るメーカーのディーラーとは若干離れて出店されているケースも目立つが、これはあまりにラインナップが違い過ぎると相乗効果が期待できないという理由もあるようだ(そのため、スズキとダイハツは隣接しているケースが多い)。

そのほか、ややマニアックなラインナップを持つ輸入車ディーラーや、指名買いの多い車種を取り扱う専門店系の中古車店においては他のディーラーの近隣に出店してもそこまで影響がないということで、あえて離れた郊外に店舗を構えるということもめずらしくない(もちろん賃料なども郊外の方が安いということもあるが)。

このように出店する側の思惑はさまざまあれど、比較検討をしているユーザーからしてみればディーラーが1か所に固まっているのはありがたいところ。

クルマの購入をする際は、その恩恵を最大限に活用し、ベストな1台を見つけていただきたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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