アルファ・ロメオ・ステルヴィオ 詳細データテスト 乗り心地は硬め 軽さゆえの動力性能 楽しい走り

公開 : 2023.07.08 20:25  更新 : 2023.08.11 19:44

ステルヴィオの改良版に、質感や乗り心地の進歩はとくになし。しかし、このクルマのよさであるスポーティさが失われなかったのはうれしいところ。これにアダプティブダンパーとマイルドハイブリッドが加われば文句なしですが。

はじめに

アルファ・ロメオは2000年代半ば、フィアットクライスラー・オートモビルズ、すなわちFCAにより、長年離れていた北米への再上陸が計画された。主力モデルに使用するジョルジオ・プラットフォームの開発には多額の資金が投入され、アメリカ市場だけで年間15万台の販売が想定されたものだ。

ミッドサイズSUVのステルヴィオは、2016年のLAモーターショーで公開され、この計画の中核となることを期待されたが、狙い通りの成功を収めてはいない。野心的な成長戦略は縮小し、ステルヴィオも欧州では販売好調ながら、大西洋の対岸では予想したほど売れていない。

テスト車:アルファ・ロメオ・ステルヴィオ2.0T 280ヴェローチェAWD
テスト車:アルファ・ロメオ・ステルヴィオ2.0T 280ヴェローチェAWD    JOHN BRADSHAW

現在はステランティス傘下で、このクルマの高コストなプラットフォームは退役することが決定され、より電動化に適した代替品の開発が進められている。いまやトリノの販売の軸足はよりコンパクトなトナーレに移りつつあり、ステルヴィオは1代限りのモデルとなる可能性もある。

今後の動向は不透明ながら、ひとまずステルヴィオはマイナーチェンジが実行された。新たな見た目や室内に導入されたいくつかのフレッシュな要素、合理化されたエンジンラインナップとグレード展開、そして拡充された標準装備レベルは、モデル存続につながる商業的な成功につながるのだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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