アルファ・ロメオ・ステルヴィオ 詳細データテスト 乗り心地は硬め 軽さゆえの動力性能 楽しい走り

公開 : 2023.07.08 20:25

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

ステルヴィオのようなクルマは、登場から時間が進むと価格が下がりがちだ。インフレ分を補正すると、2020年のヴェローチェの価格は、現在の5万8000ポンド(約1061万円)程度に相当する。

つまり、5万4240ポンド(約993万円)というテスト車の価格は、以前よりヴァリューが高いということになる。しかも、ヘッドライトのアップグレード、デジタルメーターやLSDの標準装備化、アクティブセーフティシステムの拡充も図られている。

ステルヴィオの残価予想はさほどよくないように見えるが、ポルシェのレベルがあまりにも高すぎるとも言える。
ステルヴィオの残価予想はさほどよくないように見えるが、ポルシェのレベルがあまりにも高すぎるとも言える。

エントリーグレードのスプリントなら5万ポンド(約915万円)を切る。シートはハーフレザーで、ホイールは19インチ、外装はヴェローチェのスポーティな部分がいくつか抜けるが、インフォテインメントシステムは同等だ。

アルファは、NFTによる整備履歴のデジタル記録を付帯することで、残存価値の向上を図った。トナーレからはじまったこれは、中古購入したユーザーも閲覧できるが、書き込みや修正は認可を受けたディーラーしか行えない。残価率の予想を見ると、競合するドイツ勢との差は縮まっている。

テスト時の平均燃費は10.2km/L、ハイウェイでのツーリング燃費は11.4km/L。どちらも悪い数字ではないが、経済性重視のユーザーを満足させる結果ではない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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