可動式ヘッドライトを採用した名車 50選 後編 もう見られない最高に格好いいギミック

公開 : 2023.07.08 18:25

可動式ヘッドライトの始まりは1935年の「コード810」というクルマでした。その後、1960年代から2000年代前半にかけてさまざまな車種に採用され、一世を風靡しました。その中から最高の50台を紹介します。

ブリックリンSV-1(1974年)

実業家マルコム・ブリックリン氏は、安全性を重視した手頃な価格のスポーツカーを作ろうと考えた。SV-1は「Safety Vehicle 1」の略で、続編を作るつもりだったと思われる。しかし、V8エンジンを搭載したSV-1は、衝撃的な製造品質、非現実的な高価格、平凡な動力性能など、多くの問題を抱えていた。それにもかかわらず、1975年から76年のわずか2年間で、約3000台が生産された。

ブリックリンSV-1(1974年)
ブリックリンSV-1(1974年)

ランボルギーニカウンタック(1974年)

ミウラのヘッドライトが前方に反転するのに対し、カウンタックのヘッドライトは上方に飛び出すリトラクタブル方式だ。このライトのおかげで、史上最も野性的なデザインのスーパーカーがこれほど素晴らしい姿になったのである。後に登場したディアブロも当初はリトラクタブルライトを装備していたが、空力特性を改善するために通常のライトユニットに変更された。

ランボルギーニ・カウンタック(1974年)
ランボルギーニ・カウンタック(1974年)

トライアンフTR7(1975年)

TR7が登場するまでのトライアンフの「TR」シリーズは、いずれもストレートなボディラインとトルクフルなエンジンを備えた、胸板の厚いスポーツカーであった。TR6では2.5L直6を搭載していたが、ハリス・マン氏がデザインしたTR7は、2.0L 4気筒とウェッジシェイプデザイン、当初はクーペボディのみというかなり衝撃的なものだった。コンバーチブルが登場したのは、生産終了間近になってからだった。

トライアンフTR7(1975年)
トライアンフTR7(1975年)

ポルシェ924(1975年)

ポルシェで初めてポップアップ式ヘッドライトを採用したのは、1969年に発表された914だ。多くの人はニッチなスポーツモデルと見ており、15万台ほどしか販売されなかった。フォルクスワーゲンとポルシェの共同事業として構想されたが、914が発表されるまでにフォルクスワーゲンの熱は冷め、ポルシェは単独で乗り切ることになった。

ポルシェ924(1975年)
ポルシェ924(1975年)

ロータス・エスプリ(1976年)

ロータス・エスプリは、ジョルジェット・ジウジアーロ氏がデザインし、後にピーター・スティーブンス氏がポップアップ式ヘッドライトを引き継いで改良した。後のモデルにはV8エンジンが搭載されたが、ジウジアーロ氏がデザインしたオリジナルモデルはすべて、排気量2.0Lまたは2.2Lの4気筒エンジンをミドマウントで搭載している。

ロータス・エスプリ(1976年)
ロータス・エスプリ(1976年)

ポルシェ928(1977年)

1978年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたポルシェ928は、911の後継車として計画されたが、技術的な素晴らしさにもかかわらず、その使命を果たせなかった。フロントマウントのV8は、トランスアクスルと組み合わされ、パッケージングと重量配分を改善。ボディシェルは亜鉛メッキされ、ボディカラー同色のプラスチックバンパーはフラッシュ式になったが、コストがかかりすぎ、911との差は圧倒的だった。928の販売は18年間続いたが、その間に作られたのは6万1000台ほどだった。

ポルシェ928(1977年)
ポルシェ928(1977年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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