アルファ・ロメオ・ステルヴィオ 詳細データテスト 乗り心地は硬め 軽さゆえの動力性能 楽しい走り

公開 : 2023.07.08 20:25  更新 : 2023.08.11 19:44

内装 ★★★★★★★★☆☆

2連バイザーのメーターパネルや小ぶりのステアリングホイール、直観的な位置にある変速用のレバーとパドルは、わかりやすく好ましい運転環境を象徴している。まずすべきことから気を逸らすものは、運転席周りにはほぼない。

万能性が、アルファ乗りに対するセールスポイントであることに変わりはない。3人乗りの後席は、ミッドサイズSUVとしては乗り込みやすい高さにあり、大人でも空間いゆとりがある。BMW X3アウディQ5にも見劣りせず、同じクラスのセダンより広い。

内装の質感は、プレミアムブランドとしては不足気味。シンプルで斬新さにはかけるが、使い勝手に関してはむしろ優れている。
内装の質感は、プレミアムブランドとしては不足気味。シンプルで斬新さにはかけるが、使い勝手に関してはむしろ優れている。    JOHN BRADSHAW

荷室の奥行きは、後席使用時で1mあり、トノカバー下の520mmという高さはX3を上回る。

前席では、新型デジタルメーターが主な変更点だ。サイズは12.3インチで、ライバルたちと同等。ディスプレイのモードは特に斬新なところはないが、アルファならばこうだろうと予想するとおりの仕立てだ。もっと調整が効けばうれしいところではあるが。

質感の向上にはそれほど力を入れた印象がなく、プレミアムセグメントの水準を下回ったままだ。より高額な仕様にはレザー張りのダッシュボードも用意されるが、アウディやBMWにフィールのリッチさで対抗するにはそれくらい必要だ。

とはいえ、テスト車には高価そうな部分も見受けられ、ステアリングコラムやドアコンソールに粗めのプラスティックや安っぽいフィニッシュは目につかない。いっぽう、スポーツシートのレザーはやや硬くてプレーンだった。

しかしながら、機能面からみると、ステルヴィオの操作系やレイアウトは好ましい点が多い。キャビンは広く、低めの着座ポジションからアルミ素材の大きめなシフトパドル、使いやすい実体温度調整やうまく角度をつけたワイヤレス充電器まで、合理的な設計に満ちている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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