テスラ越え実現する? 東大卒の集団 国産初の完全自動運転EVもくろむ 「チューリング」社とは

公開 : 2023.07.07 11:55

テスラを越えるための地道な一歩

今回披露された工場の2階では今年走行すると宣言している自社製EVの鋼管フレームが組み上げられていた。日産リーフのパーツを流用するかたちで作り上げるこのクルマは、8月に走行することが決まっている。

また今回のお披露目会ではLLMのデモ車(トヨタアルファード)を敷地内にて、そして同車が開発したレベル2の自動運転システムを組み込んだレクサスRXの走りを実際の路上で体感することができた。

LLMのデモ車(トヨタ・アルファード)。ドライバーの音声指示により走行する。前に立っている人のジェスチャーを理解することも可能。
LLMのデモ車(トヨタ・アルファード)。ドライバーの音声指示により走行する。前に立っている人のジェスチャーを理解することも可能。

LLMのデモ車はリアトランク内にOpenAIのGPT-3.5turboを組み込んだパソコン等を搭載したもので、ドライバーの音声指示により走行する。カラーコーンの色を理解し、その方向に向かうこともできるし、前に立っている人のジェスチャーを理解しつつ、それを「無視して」という音声指示に従ったりもする。

もう1台の方は、このシステムを組み込んだレクサスRXを同社はすでに1台販売した実績があるという。

これは現在では珍しくないレベル2の自動運転(アダプティブ・クルーズコントロールとレーンキープ機能)だが、チューリングが独自に構築したシステムが搭載されており、完成度は高いと感じられた。

テスラを越える(?)という目標は現時点では打ち上げ花火のようなものかもしれない。

だが海外にあるEVスタートアップにできて日本でそれができない理由はないだろう。今後、毎年のように進歩していくはずの彼らの動きを見守りたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

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